豪州:Turnbull首相、閉鎖予定の褐炭火力発電所の延命を拒否

掲載日:2017年3月30日

3月24日付け地元紙によれば、連邦議会・与党の保守連合の議員たちは連邦政府に対してVIC州のHazelwood褐炭火力発電所の運転を継続させるための運動をしている。また、豪州の産業団体であるAustralian Industry Groupも同発電所は重要な電力供給源であると主張している。しかしながら、Malcolm Turnbull首相及びScott Morrison財務大臣は同発電所の運転を継続するための公的資金の投入を拒否している。

Turnbull政権は、同発電所の運転を継続するために必要とされる7億5,000万AUDの資金を拠出することを議論していた。これは5年後にSnowy 2.0水力発電拡張プロジェクトが運転を開始するまでの間、電力を確保する緊急対策としての措置である。保守連合の議員の多くは同発電所のオペレーターであるEngie社は、豪州政府が7億5,000万AUDを拠出すれば運転を継続するであろうと考えていたが、同首相と財務大臣はこの措置を拒否した。また別の見積もりでは運転継続には13億AUDを要するという試算も出ていた。

また、保守連合の議員達は同発電所の運転の継続が強力な政治的キャンペーンになるとも踏んでいた。停電や電力価格の高騰が問題となっている労働党政権のSA州では、以前Northern石炭火力発電所に対してオペレーターのAlinta社からの救済策の求めがあったのにも関わらずこれを拒否し同発電所は閉鎖されてしまった。

Hazelwood発電所の閉鎖により電力価格の上昇や停電のリスクが高まると懸念されている。同発電所の発電能力は国全体の発電の約5%を占める。しかし、Turnbull首相と閣議のエネルギー小委員会はAustralian Energy Market Operator (AEMO) と会談した際、Hazelwood発電所が失われても十分な容量があることを確認していたと地元紙は報じている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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