ベトナム:環境グループ 石炭火力発電所計画の再考を促す

掲載日:2017年4月13日

4月4日付けの地元報道によると、メコンデルタ地域では、2011-2020年国家発電計画のもと、数箇所の石炭火力発電所の建設が予定されている。国家の計画のもと、Hau川の沿岸部で、Can Tho市からHau Giang省、Soc Trang省とTra Vinh省の間の港にかけて、石炭火力発電所が15箇所建設される。

また、石炭火力発電所は、Long An省にLong An I発電所(発電能力1,200 MW)、Long An II発電所(発電能力1,200 MW)があり、Bac Lieu省には発電能力1,200 MWの石炭火力発電所がある。Ca Mau省にはCa Mau I発電所・Ca Mau II発電所がガス石炭混焼(ガス発電能力750 MW)として建設される予定。

全てのプロジェクトが完了すると、メコンデルタ地域は、2030年までに火力発電所の高密度地域となる。多くの火力発電所は、石炭火力発電所であり、環境機関GreenIDによると、石炭は、他の化石燃料よりも大気を汚染するという。専門家は、メコンデルタ地域は、南部域の主たる経済区域であり、数多くの石炭火力発電所を開発する時には、専門家、反対者の意見も考慮すべきだとした。

メコンデルタ地域は、農業、水産養殖を目指しており、多くの電力は消費しない。地域住民の殆どは低収入の農民であり、人口の70%は農業である。当該地域の土地は、堆積層からなり、土壌は軟弱である。よって、軟弱な地質構造地域での重工業施設の基礎建設は割高となり、大量の土砂と岩石が必要となる。一方、第7次電力開発計画では、建設地の地質条件の評価は述べられていない。

GreenIDは、また、沿岸部での発電所建設に触れ、浸食の高い危険性を警告した。Tra Vinh省のDuyen Hai 1石炭火力発電所の建設時には、投資家は、発電所の基礎工事のために沿岸部の土砂を26百万m3も除去しなければならなかった。この土砂の除去は、Tra Vinh省の沿岸部での地すべりを悪化させた。結果として、省政府は、浸食を防ぐために、数千億VNDの堤防を建設した。しかし、これは、一時的な解決策でしかない。

(石炭開発部 辻  誠)

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