ポーランド:一般炭生産立ち直り EU(欧州連合)の排出抑制策にはリスク

掲載日:2017年7月6日

6月23日付けの報道によると、一般炭分野は、石炭火力発電の発電能力拡張政策に支えられて、数年振りの成長率となっている。しかし、コークス炭は、鉄鋼業界の需要減から、楽観視できない見通しである。

BMI Researchは、ポーランドの石炭全生産量の90%を占める一般炭は、石炭火力発電所の発電能力が電力の需要増に対応出来ないため、顕著な成長が期待されるとした。

Fitch Group社は、2016年の石炭生産量は2.5%減だが、2017年は1.6%増と予想している。ポーランドの2016年石炭生産量は134.5百万トン、2017年は136.7百万トンと予想されている。2021年までは成長が期待され、2021年は142.8百万トンと予想。

しかし、二酸化炭素排出に関するEUの規則は、将来的なリスク、特に一般炭生産を回避する立場である。

一方、コークス炭の需要は、欧州の鉄鋼生産の弱さに影響される。欧州の鉄鋼は、安価な輸入鉄鋼に押され、また、中国の鉄鋼需要の鈍化を背景に、2018年までは世界的な価格低下の影響を受ける。BMIは、ポーランドの鉄鋼生産は、2017年8.8百万トンから2021年8.7百万トンに減少すると予想している。

ポーランドは、EU最大のコークス炭生産国であり、2014年には、原料炭12.2百万トンを生産した。BMIによると、同国の最大のコークス炭生産者はJSW社であり、同社は、ここ数カ月の価格上昇にて、生産を拡大し続けている。JSW社は、2016年、コークス炭11.6百万トンを生産、欧州投資銀行とは新規プロジェクトの融資交渉を行っている模様。BMIは、ポーランドの国内石炭生産は弱体化しないとした。

(石炭開発部 辻  誠)

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