ロシア:ナホトカ港石炭粉塵問題、少年が大統領に直訴

掲載日:2017年7月13日

6月15日、テレビでロシア全国生中継された毎年恒例の「プーチン大統領との直接対話」で、ナホトカ在住の少年がインターネット経由のビデオ通話で、石炭積み出し時の粉塵による大気汚染問題について直訴した。

「石炭粉塵問題を心配しています。屋外のオープンな場所で石炭の積み替えが行われているのです。私たちはどう生きていけばよいのでしょう?」と問う少年に対し、大統領は「港湾施設での作業がどのようにオーガナイズされているか監視する必要がある。誰がその港の所有者なのか、どのような体制で操業しているのかを見てみよう。そして住民と環境への損失を最小化できるように努力しよう」と述べ、「君と一緒に見守っていこう。連絡先を残しておきなさい。どのような対策がとられ、それが近隣の住民にとって実感できるものかどうか、後で私に教えて」と回答した。

同日の現地報道によれば、数時間後には総検察局が極東運輸検察局に対して、ナホトカ港の石炭積み出しの査察を実施するよう指示した。また沿海地方のミクルシェフスキー知事は同日、ナホトカ港の大気汚染状況のモニタリングは、6月末までに開始する予定であると述べた。同地方の他の港でも来年にはモニタリングシステムを導入する予定とのこと。

6月16日の現地報道によれば、政権党「統一ロシア」のプレスリリースで、沿海地方選出の国会下院議員ピンスキー氏が、ナホトカの環境問題については、ムルマンスク港でも同様の状況であり、連邦レベルで法改正が求められる、と発言している。同氏は、問題解決の事例として日本の経験を挙げ、ロシアにも散水設備や防塵スクリーンなどの技術はあり、荷役会社に対する新たな規則が必要と述べた。また同氏は先に運輸省に対して、環境学者とともに港湾作業の新規則を策定し、荷役会社にしかるべき設備の利用を義務付けるよう提案したとのこと。

6月16日の現地報道によれば、連邦自然利用分野監督局は、ハバロフスク州のソヴィエツカヤ・ガワニ港の石炭積み出しについて、環境規制違反を完全に解決し石炭粉塵対策を遂行するまで停止する旨決定した。

6月20日の現地報道によれば、ナホトカ港の環境問題が連邦レベルで大きく取り上げられたことにより、石炭専用でないターミナルから石炭積み出しを行っている中小の荷役会社が今後近い将来に、規制に対応できずに廃業する、あるいは当局から活動停止処分を受ける可能性が高く、史上が淘汰されていくとの見方がある。

(モスクワ事務所 屋敷 真理子)

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