豪州:鉱業協会のCEO退任、協会内の気候変動対策を巡る見解の相違が原因か

掲載日:2017年10月5日

9月22日、豪州鉱業協会(MCA)のBrendan Pearson CEOの退任が発表された。2017年10月に退任予定。同CEOは2014年1月に同協会の副CEOからCEOに昇任していた。同CEOは労働党政権時代に導入されていた鉱物資源利用税や炭素税の廃止に向けて取り組み、最近では高効率・低排出の石炭火力発電所の導入を奨励してきた。

MCAにはBHP、Rio Tinto、Glencore、Peabody社等のメジャー企業、大手の石炭生産企業も加入している。しかしながら地元紙は、同CEOの石炭火力の支持に係る運動に対してBHPやRio Tintoは常に満足しているわけではなかったとする関係者の発言を報じている。またBHPの豪州部門のヘッドのMike Henry氏は、MCAは多くの良いことを実施しているが時々意見が異なる、と述べている。BHPは連邦政府のFinkel首席科学官が提言した「クリーンエネルギーターゲット」を支持している。一方、同ターゲットは連邦政府の石炭支持派の勢力が導入に反対している。

地元紙によれば、MCA内では最大のメンバー企業であるBHPとその他の主要な石炭生産企業との間で緊張が高まっており、また、前週に環境保護団体のACCRがBHPに対してMCA等におけるメンバーシップを再検討するよう動議を提出したこと等を受けて、今回、 Pearson CEOの辞任が発表されたと地元紙は報じている。

また地元紙によれば、Barnaby Joyce資源大臣(副首相)は「BHPが『アンチ石炭』の活動に乗っ取られ、これがPearson CEOの辞任に繋がった」と述べ、Pearson氏については「何物も恐れず、そして現実主義者であった」、「組織化され資金も豊富な環境保護団体を相手に論争してきた」として評価した。また地元紙は、BHP及びAGL社(石炭火力発電から撤退予定の電力・ガス会社)について連邦政府内では「今もなお石炭で利益を挙げているのにも関わらず、石炭から撤退する動きを見せるのは偽善的である」と見られていること等も報じている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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