ベトナム:石炭火力発電所 過剰な石炭灰・スラッグ 未処理問題

掲載日:2018年2月1日

1月18日付けの地元報道によると、国内20箇所の石炭火力発電所にて、年間15.7百万トンの石炭灰・スラッグ・石膏が排出されている。石炭火力発電所の石炭灰とスラッグは、不燃煉瓦製造での使用が可能である。

Mong Duong 1石炭火力発電所の取締役は、2017年8月、石炭灰とスラッグの処理・販売が出来ず、発電所は閉鎖の危機に陥っていると語っていた。発電所が閉鎖となれば、投資額37兆VNDが失われることになる。石炭火力発電所は、石炭灰残留物の大きな発生源の一つである。石炭火力発電所での発電量1 kWhに対して、0.2~1.5 kgの石炭灰・スラッグが発生する。ベトナムでは、2020年までに43箇所の石炭火力発電所が計画されており、石炭灰の処理は緊急の問題である。

建設省(MOC)は、最大の問題は、多くのセメント工場、不燃煉瓦工場は、石炭火力発電所の石炭灰・スラッグを原料として使用するが、石炭灰・スラッグが2015年4月No 38法令の基準に適合していないことだとした。MOCの報告では、石炭灰の毎年の消費量は、全体の僅か30%(5百万トン)でしかない。

MOC管轄の建設材料協会によると、過去の政策では、石炭灰・スラッグを利用するための施設は規定されておらず、ただ、石炭火力発電所の環境基準への対応のみで問題はなかった。よって、石炭火力発電所は、石炭灰の貯蔵地を見つける必要があった。

しかし、石炭火力発電所からの石炭灰・スラッグの処理は、現在では緊急の問題となっている。石炭火力発電所が計画通りに全て建設されると、石炭灰・スラッジの処理が出来ない場合には、石炭灰等の量は、2018年61百万トン、2020年109百万トンになる。2025年248百万トン、2030年422百万トン。その時には、石炭火力発電所では、石炭灰等の貯蔵のために広大な土地が必要になる。石炭火力発電所の操業停止の危険性がある。

(石炭開発部 辻  誠)

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