インド:CIL 自社にて鉄道貨車保有へ回帰

掲載日:2018年3月8日

2月27日付けの地元報道によると、石炭公社(CIL)は、最終的な石炭消費者である石炭火力発電所での石炭不足の大きな要因は、石炭輸送・石炭物流にあると認め、自社での鉄道貨車保有計画を描いている。

CILが自社にて石炭火力発電所向けの石炭運搬用貨車を保有し、国営のインド鉄道(IR)には線路上での運搬だけ依存し、石炭積込・輸送用の貨車は依存しない体制作りには、5年間は必要である。CILは、自社での貨車調達に要する設備投資は別として、自社貨車にてIRへ支払う輸送費が節約でき、節約分は、石炭火力発電会社の石炭消費者へ還元されると信じている。

CILはIRに対して、貨車代・消費者への石炭輸送代として、年間約56億USDを支払っていると見積もられる。CILは平均して260列車/日分の石炭を輸送している。この量は、石炭火力発電会社の石炭需要計画と一致しているが、2018/19会計年度は288列車/日に増加すると思われる。

国内最大の電力会社、国営火力発電公社(NTPC)は、全ての稼動石炭火力発電所にて、石炭不足にて、全体では発電量約106億kWh分が失われたと推測している。

CILの自社貨車構想は、数年前に棚上げされた計画の実質的な復活であり、当時は収益の明確な説明が出来ず、設備投資が出来なかった。新しい計画の詳細は作業中だが、従前の計画では、貨車2,000台の保有には約78百万USDが必要であった。当該貨車は石炭火力発電所へ石炭輸送後、空車にて炭鉱現場へ戻らなければならない。結果的に、輸送能力が無駄になり、余分なコストがかかる。選択肢の一つに、IRが、事前にCILへリース料を支払い、CILの戻り貨車を使って、石炭以外の貨物を輸送する形が考えられる。

電力省は、2018/19会計年度、石炭火力発電所向けの全体石炭量は603百万トン、うち513百万トンはCILから供給、90百万トンはSingareni Collieriesと電力会社の自家消費炭鉱から供給すると計画している。これらの石炭輸送には、平均して288列車/日が必要である。

(石炭開発部 辻  誠)

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