豪州:BHP、気候変動に係る政策の相違により、世界石炭協会の脱退を最終決定

掲載日:2018年4月12日

4月5日、BHPは業界団体のメンバーシップに対するレビューの結果を発表し、世界石炭協会(WCA)からの脱退を最終的に決定したことを明らかにした。なお、米国商工会議所については加盟を継続することとし、豪州鉱業協会(MCA)については加盟による利益について評価を継続するとしたが、MCAが最近発表した新たな気候及びエネルギーに係る政策はBHPの政策に一致するとして歓迎した。

今回のレビューは、2017年12月19日に中間発表されたレビューに続いて行われたものである。BHPによれば、米国商工会議所については気候変動に係る政策に関してBHPとの間で重要な相違が残されているが、同会議所による自由貿易等に係る幅広い活動、また、BHPを同会議所のエネルギー環境委員会に招請するなどして気候変動やエネルギーに関して更なる約束をする意向を示していることを評価して、同会議所の会員に留まることを明らかにした。

一方、WCAについては、レビューの結果、気候変動に係る政策に関して重要な相違があり、また、同団体の活動範囲も狭いことからBHPは同団体から脱退することを最終的に決定したことを明らかにした。地元紙では、2017年9月にWCAのCEOが発言した「WCAは豪州の連邦政府によるクリーンエネルギー目標の取り止めを評価すると共に、豪州の銀行は高効率低排出の石炭火力発電所のプロジェクトへの融資を継続すべき」と述べたことが印象を悪くしたのではないかと報じている。

なお、MCAは2018年3月14日に新たなエネルギー及び気候に係る政策を発表しており、BHPはこの政策の改定はBHPの政策に一致するとして歓迎した。とくにBHPとの間で重要な相違があるとしていたエネルギーのトリレンマ(安価、信頼性及び炭素排出削減)と技術の中立性の問題に対処したとして評価している。またMCAが実施する衛生、安全、環境、コミュニティ、労働及び経済に係る活動についても幅広い利益があるとしている。BHPでは今後もMCAのメンバーシップについて評価を継続する意向であるが、BHPにおいてはエネルギー、気候変動政策についてMCAと協働し、BHPはMCAの理事の職に留まると共に、公共政策やエネルギー気候の委員会にも参加すると表明している。

なお、今回のBHPの決定について、豪州の一部の環境団体がBHPを批判している。同団体は、今回の決定はBHPや株主の関心とは正反対のものになっていると批判し、特に米国商工会議所については米国のトランプ大統領による「パリ協定」からの離脱について重要な役割を果たしたことをBHPは知っているはずだと述べている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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