豪州:連邦議会の与党議員が石炭支持派のグループを結成。アボット前首相も参加

掲載日:2018年4月12日

4月3日付けの地元紙によれば、連邦議会の与党・保守連合の石炭支持派の議員達がグループを結成した。このグループは「Monash Forum」と名づけられ、政府の役職についていない議員(バックベンチャー)20名で構成され、更に10名の議員からも支持を受けていると報じられている。グループの名称は、第一次世界大戦の司令官でVIC州のLatrobe Valleyの褐炭炭鉱の開山に中心的な役割を果たしたJohn Monash氏に因んで名付けられた。今後、政府に対して石炭産業や石炭火力発電への支持を訴えることとしている。

同グループの委員長は自由党のCraig Kelly議員であり、Tony Abbott前首相や2018年2月に副首相を辞任したBarnaby Joyce議員も所属している。Kelly議員は「同グループのマニフェストはMalcolm Turnbull首相が進める国家エネルギー保障政策とは矛盾しない」と述べているが、同グループは政府に対して石炭火力への支援を求めており、具体的にはVIC州のLatrobe Valleyに、公的資金を用いて事業費40億AUDの新たな石炭火力発電所を建設することを求めると共に、2022年以降もNSW州のLiddell石炭火力発電所の操業を継続すること、また、石炭火力発電所の更なる建設場所を探すことなどを求めている。

与党の一部の議員は、「このグループはTurnbull政権を不安定化させる」として反発している。しかしJoyce議員は、同グループは、反Turnbul首相グループだとする見方を否定し、あくまで「安価な電力の確保が目的である」と述べた。またKelly議員も「政権を不安定化させる意図はない」と述べ、「我々の経済にとって石炭がいかに重要であるかを理解して欲しいと思っている」と述べた。Josh Frydenbergエネルギー大臣は、4月3日、記者団に対し「今回のグループと我々政府が見ているところは同じ」と述べ、「それは低価格で信頼性のある電力である」と述べた。そして「石炭はその中でも重要な役割を持つ」とも述べた。

(シドニー事務所 山下宜範)

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