豪州:QLD州地方裁、地下石炭ガス化による環境汚染は故意で違法な行為によるものと評決

掲載日:2018年4月19日

4月9日付けの地元紙によれば、Linc Energy社が2007年から2013年にかけてQLD州のChinchilla地区において実施した地下石炭ガス化(Underground Coal Gasification:UCG)に関し、QLD州地方裁判所は、同社の故意かつ違法な5項目の実施により環境被害が引き起こされたとする評決を下した。
 
検察側は、地下石炭ガス化が重大な環境被害をもたらすことをLinc Energy社が知っていたにも関わらず、環境関連の義務よりも商業的な利益を優先して操業を継続したと主張している。同社はChinchilla地区の4か所で地下石炭ガス化を実施し、地下の石炭燃焼室に空気を注入して高圧状態としたが、周囲の岩石や石炭層が破砕されて有毒ガスが周囲に漏れ、水質汚染を引き起こしたとされる。また、地表にガスが泡立っていたことから、科学者や労働者からも警告が発せられたものの、同社は操業を継続させていた    
 
判決が言い渡されるのは2018年5月11日の予定であり、最高で900万AUDの罰金が科される見込みである。Linc Energy社側は10週間に亘った今回の裁判の当初から無罪を訴えたものの、同社自体は既に会社清算がされており、裁判において検察側から示された嫌疑に対する弁護も行っていない。
 
なお地元紙によれば、2018年の3月、QLD州の控訴裁判所が、Linc Energy社の清算人に環境浄化の義務があるとする裁判所から出されていた命令を覆したが、これに対してQLD州政府はこの控訴裁判所の判断を覆すべく、同年4月6日に最上級審となる高等裁判所に申請を行った。同州政府はLinc Energy社に環境修復法を適用しようとしており、環境修復の費用は7,800万AUDと見積もられている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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