中国:石炭輸入制限導入 一般炭の内外価格差を誘発する懸念

掲載日:2018年5月18日

4月17日付けの報道によると、中国が石炭の輸入制限を課し始め、アジアにおける一般炭輸入価格が圧力を受ける可能性がある。中国の南部や東部の港の一部では、石炭の輸入に対して、荷卸禁止から通関手続き厳格化に至るまで、規制を導入している。規制の厳格さのレベル・広がり具合、および実施期間は不明だが、当局の国内価格の保護、石炭増産を促進するため、輸入炭の増加を制限する考えは明白である。

石炭輸入制限は国内価格を押し上げ、鄭州商品交易所の一般炭先物ベンチマーク価格は 570.2元/トン(3%高)。2018年最高値678元/トン(1月29日)は下回るが、2017年8月以来最大の上昇となった。

当局は、公式には国内石炭価格目標は定めていないが、約550元/トンに保たれている価格帯は、発電コストは過度には押し上げず、石炭採掘業者へは十分な収入をもたらすと政府が感じる水準だと、業界では広く考えられている。特に輸入炭の税額を考慮すると、現在は一般炭の国内価格が、輸入炭に対してより魅力的な水準にある。豪州 Newcastle港積み一般炭スポット価格(FOB Newcastle)は93 USD/トン(0.2%高)、2018年のこれまでの最高価格109.50 USD/トン(1月17日)より約15%低い。

冬のピーク需要後の石炭価格下落は通常であり、輸入制限による一般炭需要の抑制が輸入市場のリスクとなる。税関総署のデータでは2018年1~3月の全炭種の輸入量は75.41百万トン(前年度同期比16.6%増)。2017年1~3月ほど早い増加ペースではなく、石炭輸入量は増加より減少すると当局が考えている可能性がある。4月の一般炭輸入量は、輸送中等のデータに絞ると約17.6百万トンの可能性がある。

2016年末には冬期向けの買い溜めにて一般炭輸入価格が急騰したが、その様な重要な出来事による内外価格差が生じる可能性はあるが、一般炭の国内価格は通常FOB Newcastle価格に後続する。輸入制限の様な政策主導は、国内炭価格を上昇させる可能性がある。

(石炭開発部 辻  誠)

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