ベトナム:外国直接投資(FDI)の矛盾

掲載日:2018年8月2日

7月22日付けの地元報道によると、外国直接投資(FDI)は輸出総額の70%、工業生産額の50%、国内総生産(GDP)の20%を占める。ベトナムでのFDIの役割は印象的であるが、低下気味でもある。FDIの主要なる貢献の一つにハイテク産業がある。統計ではハイテク産業の製品は主としてFDI分野であり、輸出額の30%以上を占めている。しかし、この数字には幾つかの矛盾がある。

(1)ハイテク産業での労働には熟練が不要である。

(2)ハイテク製品の付加価値は低い。ベトナムが輸出額を増やすには、かなり多くの輸入が必要である。

例えば、Samsungのケースでは、Samsung Electronics Vietnam社の設立10周年記念にて、Samsung社はベトナム国産品の比率を57%まで増加する計画を発表した。しかし、国産品にはベトナムで操業する外国企業の製品も含まれている。もし、外国企業の製品を除外すると、同社の純ベトナム国産品比率は57%を遥かに下回ることになる。

国産品比率の低下は、国内企業が未だ製品を供給できず、多国間の国際生産ネットワークに入っていない事実に起因する。高度な技術と低い付加価値の矛盾は、国内企業の育成と産業界の可能性を目指す政策に問題を提起している。

(石炭開発部 辻  誠)

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