豪州:資源産業団体、裁判所に巨大労組の無効化を申し立て

掲載日:2018年8月2日

7月24日付けの地元紙によれば、資源エネルギー産業の経営者団体であるAMMAは、巨大労組となった建設・林業・港湾・鉱山・エネルギー労働組合(CFMMEU)の誕生は無効であるとして連邦裁判所に申し立てを行った。
 
CFMMEUは、2018年3月、公正労働委員会(FWC)の承認を経て、建設・林業・鉱山・エネルギー労働組合(CFMEU)、繊維衣料品及び履物労働組合 (TCFUA)及び海事労働組合(MUA)が合併することにより誕生した巨大な労働組合であり、組合員14万4千人を擁し、資産は3億1,000万AUD、年間収入は1億4,600万AUDである。
 
地元紙によればCFMMEUは誕生後、その活動は勢いを増している。産業関係者によれば、海事部門はさらに攻撃的になっており、これまで豪州労働組合(AWU)の影響下にあった石油・ガスの海上のプラットフォームなどにも活動範囲を広げようとしている。
 
AMMAでは、かねてより巨大労組の誕生によって、採掘場から港まで不法行為が拡大するとの懸念を示しており、この合併が法的要求事項を満たしていないと主張してきた。AMMAは、業界のみならず経済全体のためにも、裁判所においてこの合併が検査されることが必要だとしており、最終的には連邦の最高裁判所(High Court)の解釈も求める意向である。これに対してCFMMEU側は「労組の民主的な権利と組合員の意思決定に介入しようとしている」と批判している。
 
なお、前月にAMMAは、建設業の業界団体であるMBAと共同で、FWCに対してこの合併の無効化を求めていたが却下されていた。今回、MBAはAMMAの申し立てには参加しない予定である。MBAは次の連邦議会の選挙に向け、2016年に同議会で再設置が可決された豪州建設委員会(ABCC:建設労組の監督機関)を維持するためのキャンペーンに重点を置くことしている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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