豪州:NSW州の坑内掘り炭鉱の拡張認可に対し、集水域への影響があるとして反発する声

掲載日:2018年8月2日

7月29日付けの地元紙によれば、シドニーへの水供給源となる集水域に位置する坑内掘りのDendrobium炭鉱の拡張計画に対し、NSW州政府が認可を与えたが、これに対して環境保護団体等が水質への影響があるとして反発している。
 
今般、NSW州の計画省は、同炭鉱のロングウォール採炭に関し、新たに第14区画の採掘の計画について認可を与え、また第16区画の地表の陥没の管理計画についても認可も与えた。しかし、環境保護団体は、これらの計画については2017年にコンサルタント会社が問題点を指摘していたにも関わらず同省がこれを無視していること、また、政府機関や独立の調査委員会の報告を待たずして同省が認可を与えたとして批判している。
 
Dendrobium炭鉱は、Avon貯水池及びCordeaux貯水池の近くで操業されているが、問題とされているのは、坑内における石炭の採掘が、地表を陥没させることによって地表水を排出させることになり、沼地を乾燥させると共にこれらの排水が貯水池に流入してしまうことである。

地元紙によれば、NSW州におけるダム及び水道事業の運営機関であるWaterNSW社も、同炭鉱の拡張がシドニーの飲料水に与える影響を指摘してきた。同社では、「認可に沿って第16区画の操業が行われるよう注意深くモニターしていく」と述べている。
 
同炭鉱は、South32社の操業によるものである。計画省では同炭鉱の操業に際して「排水に関連する厳格な要件に違反する証拠は見当たらない」とし、同社に対してさらにモニタリングと管理を実施していくよう勧告している。また、South32社側も、「同炭鉱は厳格な管理の下に操業を行っていく」とし、「環境責任を真摯にとらえて操業の決定を行っている」と述べている。

(シドニー事務所 山下宜範)

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