豪州:気候変動リスクを公開する企業が減少:証券投資委員会調べ

掲載日:2018年9月27日

9月20日付けの地元紙によれば、豪州証券投資委員会(ASIC)が、豪州証券取引所(ASX)の上場企業の年次報告を調べたところ、気候変動のリスクについて情報公開している企業が減少していることがわかった。
 
ASICでは、ASX300の企業のうち60社の2017年の年次報告を調査したところ、気候変動を本質的なリスクと捉えて情報公開をしていた企業は17%に過ぎなかった。あわせて、上位200社以外の企業においては、気候変動リスクを公開した企業は極めて限られると述べている。
 
また、ASICでは、過去6年間のASX上場企業の年次報告15,000件を調査したところ、気候変動リスクや気候変動に関連する内容を記した企業は、2011年においては22%あったのに対し、2017年は14%に減少していた。この理由については、かつての労働党政権時における排出量取引制度の法制化の動きと、その後の廃案が影響していると分析されている。また、ASXの上位100社の企業の過半は気候変動リスクについてある程度の考慮はしているものの、その情報公開は極めて断片的なものであると述べている。
 
これらの調査結果に対して、「気候変動に係る投資家グループ(IGCC)」は、「気候変動に係る情報公開のレベルが後退していることを憂慮する」とのコメントを発表した。そして、「金融規制当局は企業に対して、金融的なリスクと同様に気候変動リスクについても報告させるべきである」と指摘している。また、ASICも、企業の取締役に向けて「気候変動リスクを考慮しなければ将来法的措置の危険にさらされるという警告を真剣に受け取るべきだ」と指摘している。

(シドニー事務所 山下宜範)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ