米国:石炭、電力業界の弁護士はAffordable Clean Energy ruleを熱心に支持しているが、法廷の立ち回り方は定まっていない

掲載日:2018年9月27日

9月15日付の現地報道によると、石炭および電力業界の何人かの弁護士は、Trump政権のAffordable Clean Energy rule (ACEルール)は、電力を合衆国政府から州に返還しObama大統領時代の規制を改善すると主張した。しかしながら弁護士たちは法廷におけるACEルールの勝算について異なる意見を持っている。

米国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency, 以下EPA)は、10月に終了するパブリックコメント受付期間の後、ACEルールとして知られる規則を確定する。この規則は、2015年に発行されたClean Power Plan(以下CPP)を廃止して置き換わる。CPPでは石炭発電能力に基づいて州毎に炭素排出削減量を設定していた。ACEルールは既存の石炭焚き発電所の熱効率向上を通じた最良の二酸化炭素排出削減システムを定義し、州全体に画一的な規則を適用するのではなく、各州が個々の発電所を見て計画を立てることを可能にする。

Texas Public Policy Foundationのエネルギー関連プロジェクト、Life: Powered プロジェクトの環境、エネルギー担当弁護士、エグゼクティブディレクターのMike Nasi氏は、「コロンビア特別区巡回控訴裁判所がACEルールを認めない可能性はあるものの、2016年にCPPを支持した米国最高裁判所は、そうではないだろう」と述べた。9月11日、Mike Nasi氏は「この法律Clean Air Act(CAA)は、Obama政権がCPPを用いて行おうとしていたことと矛盾する」「CAAはこの方法では機能しない」と、National Coal Transportation Associationの会議で語った。彼はまた、経済に重大な影響を及ぼす規則が、「法的権限を有するかどうかについての、最高裁判所による厳格な調査」の対象となるという最高裁判例にCPPが違反したと述べ、「不吉な予感がした」「これは、統合されたエネルギーシステムにおける炭素エネルギー源の規制のための白紙委任であり、法案が廃止されようとしていることは非常に良いことだ」と語った。

Eversheds Sutherland LLP社の弁護士のJoshua Belcher氏はCPPに対する請願の中でEast Kentucky Power Cooperative Inc.社を代表し、「最高裁判所がACEルールを支持するだろう」と述べた。「ACEルールの内容は、CAAの基準を満たしている」「ACEルールに反対する者は、EPAのルール作りの根拠とプロセスの詳細な調査が行われるように、ルールの手続き上の側面に挑戦する方がよいかもしれない」と彼は述べた。
Belcher氏は、9月14日のS&P Global Market Intelligence社とのインタビューで、「あなた方の気候に関する政策とCPPの有効性に関わらず、EPAはCAAのもとで提供されているツールのみを使用できる」と述べた。

しかし、CPPに対する請願の中でNorth Dakota州を代表するGreenberg Traurig LLP社の弁護士は彼らと同じくらい確信があるわけではないようだ。9月12日のインタビューで「問題の複雑さと不確実性を考えると1つの結果を仮定するのは賢明でない」と述べた。

2つの規則に関する話は終わっていない。Paul Seby氏は述べた。なぜなら民主党寄りの州と資金の豊富な非政府組織がACEルールに戦いを挑むだろうからだ。反対意見を持つものはTrump大統領の提案が違法で炭素排出の削減目標を掲げていないと主張している。「Trump政権はパブリックコメントと、成功への機会を最大限活用するためにCPPから方針を変更した理由の詳細を検討しなければならない」「CPPが最終的に廃止され、EPAが州当局を尊重する代替ルールに従うことを願っている。しかし誰も未来を見通すことはできない」とSeby氏は述べた。

(石炭開発部 弘中 孝宜)

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