ロシア:政府 優先投資プロジェクト検討

掲載日:2018年11月1日

9月10日の現地報道によれば、夏にベロウソフ大統領補佐官が、大手輸出業者である金属・鉱業・化学会社は商品価格の上昇及びRUB弱化から追加的収益を得たとして、これら企業に対して総額5億RUB以上の超過利潤税を課税することを提案したが、政府及びビジネス界の反対にて、政府の優先国家投資プロジェクトに企業側が投資するとの妥協案に落ち着いた。

9月6日に行われたワーキンググループ会議には、「ベロウソフ・リスト」と呼ばれる当初課税対象に挙げられたEvraz、Mechel、SUEKなど14社の他、複数の民間企業、及びRosAtom、ロシア鉄道など国営企業、ロシア政府から多くの大臣が参加して、対象となる投資プロジェクトの選定基準などについて討議された。ベロウソフ大統領補佐官は、新技術導入、インフラ建設、BAM・及びシベリア鉄道、港湾での貨物積み出し能力強化などに関わるプロジェクトや、GDPの25%までの引き上げに貢献しうる大規模プロジェクトに投資するよう企業側に呼びかけた。またシルアノフ財務大臣は、ロシア経済への企業投資を支援することが課題であり、ロシア政府は必要に応じて融資保証や金利補助金を提供するなどして、これら投資を支援する用意がある、とした。

9月20日の現地報道によれば、ロシア政府は民間投資誘致を必要とする優先投資プロジェクトリストのドラフトをベロウソフ・リスト企業側に提示した。Rosatom、運輸省、天然資源環境省、情報技術・通信省、農業省、Rusgidro、産業商務省、連邦森林局、経済発展省からあげられた340以上のプロジェクトが含まれ、投資総額は11兆RUBで、うち7.1兆RUBの民間投資を必要とする。これらのプロジェクトでは、投資家の支出を納税額から相殺する形式の補償や、資産税・土地利用税の減免、有利なプロジェクトファイナンスの供与などの国家支援が見込まれているとのこと。

10月9日の現地報道によれば、ロシア直接投資基金のドミトリエフ総裁は、ベロウソフ・リスト企業に対して、多くの地方プロジェクトが含まれる共同投資のためのプロジェクトを複数提案したことを明らかにした。同総裁は、社会的に重要なプロジェクトではリスク配分が正しく行われないために実現しないことが散見されるが、官民パートナーシップでの業務経験が豊富な同基金は多くのプロジェクトを実現できるとの自信を述べた。

(モスクワ事務所 屋敷 真理子)

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