ロシア:首相 ムルマンスク石炭ターミナルLavna等のコンセッション契約早期締結を指示

掲載日:2018年11月1日

10月4日の現地報道によれば、メドヴェージェフ首相は10月1日、ロシア連邦海洋河川庁に対して、GTLK社(国営輸送リース会社)子会社の海洋商業港Lavna社と、ムルマンスクの石炭ターミナルLavna及びインフラ建設に関するコンセッション契約を1ヶ月以内に締結するよう促す政府指示書に署名した。

10月5日の現地報道によれば、Lavnaは、コラ湾西岸のムルマンスク輸送網プロジェクト枠内で建設される石炭ターミナルで、積み出し能力は年間1,800万トン。総工費240億RUB。第一段階(積み出し能力900万トン)は2020年末に操業開始、1年後に計画能力に達する予定。この他、民間投資家が鉄道の地下線路建設に9億RUBを投じ、鉄道全体の建設(180億RUB)、海底浚渫及び航海ナビゲーションシステム(18億RUB)は、政府予算でまかなわれる見込み。

情報筋によれば、ウラル鉱山冶金会社(UGMK)の共同オーナーであるボカレフ氏が所有企業を通じて、最終的にLavna社の株75%を取得する見込みで、すでに連邦反独占庁(FAS)の許可も得たとのこと。情報筋は、ボカレフ氏のLavna社参入の動機は、輸出増加を背景に港湾の石炭積み出し能力不足が予測されることにある、としている。

ロシアの格付け機関AKRAのアナリストは、Lavnaターミナルから、クズバス地方の中小生産者やカザフスタンの企業が石炭を輸出できるだろうと見ている。ただし現在の石炭価格では、アジア太平洋地域への輸送も可能であるが、国際的な増産により価格が下がれば、主な仕向け先は需要が縮小に向かっている大西洋地域となることを懸念。別のアナリストは、戦略パートナーとして石炭生産企業を持たない場合、鉄道建設への国家投資は回収が難しく妥当ではない、と指摘している。

10月18日の現地報道によれば、Mercuria社は10月15日付で運輸大臣あてに、ボカレフ氏のLavnaターミナルプロジェクト参入を不服とする書簡を送付した。Mercuria社は2017年6月にGTLK社とメモランダムを調印、同年10月には運輸省の指示に従ってGTLK社取締役会がMercuria社へのLavna社株75%の売却を承認し、両社は2018年2月にターミナル積み出し量に関する契約を締結した。しかしGTLK社によれば、Mercuria社は現在までFASに対して株買収に関する許可申請をしておらず、代わってボカレフ氏が持つBusiness Globe社が9月6日、FASに対してLavna社株70%の買収について許可申請を行い、9月27日に許可を得たとのこと(ボカレフ氏個人はすでに5%を所有)。

(モスクワ事務所 屋敷 真理子)

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