米国:石炭事業に対する反トラスト法適用

掲載日:2020年7月9日

2020年3月8日の報道によると、連邦取引委員会(Federal Trade Commission)は2020年2月、Arch Coal社とPeabody Energy社の共同企業体組成を差し止めた。2019年、Arch Coal社とPeabody Energy社はWyoming州の南部Powder River炭田の炭鉱資産を集約し、操業効率を高める計画を発表していた。

連邦取引委員会は、「単一の生産者は生産量を減らし、価格を引き上げる強い動機を持っている。もしArch Coal社とPeabody Energy社が生産量削減を決定すればより小規模の競合はその生産量削減分を埋め合わせることができず、石炭火力発電業者は操業できなくなるだろう」と述べた。連邦取引委員会は競合関係を狭く定義し、天然ガス、再生可能電力、Powder River炭田以外で生産される石炭を競合として考慮していない。

米国の電源構成における石炭火力発電の比率は2008年の48%から24%まで低下しており、石炭火力発電は安価なガス火力発電や再生可能発電に置き換わっている。Powder River炭田の露天掘り炭鉱群はAppalachia炭田の炭鉱群に比べて生産性が高いが、相次ぐ石炭火力発電所の閉鎖によって石炭生産者の経営環境は悪化している。Arch Coal社は4年前に連邦倒産法第11章に基づく再建を行っており、再建後も石炭需要が低迷する中で経営は困難を極めていた。

(石炭開発部 弘中 孝宜)

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