南アフリカ:競争委員会は、競争法廷に対しSouth32の南ア石炭資産のSeriti社への売却に関して承認することを勧める

掲載日:2020年9月17日

9月7日付の現地報道によると、競争委員会(Competition Commission)は、6日に競争法廷(Competition Tribunal)がSouth32社の南アにおける石炭会社であるSouth Africa Coal Holdings(SAEC)をSeriti Resourcesの子会社であるThabong Coal社へ売却することの承認を勧めた。このため、条件付きではあるが、Thabong Coal社のSAEC社の買収が大きく動きだした。

委員会は、買収後には、Seriti社は国営電力会社Eskomへの最大の石炭サプライヤーとなり、シェアが30%以上になるため同社への石炭供給に関しては、Seriti社への依存が高まることになるが、個別化された長期契約交渉の性質を考慮すると、買収がEskomの既存の交渉とバイヤーパワーに影響を与える可能性は低く、又同社への石炭の納入価格に大きな影響を与える可能性は低いと判断している。

一方で、南アフリカエネルギーフォーラム(SAEF:South Africa Energy Forum)は、Seriti社によるSAEC社の買収を委員会が承認したことに関し、この取引によりEskomに対して国内最大のサプライヤーの誕生になるとして激しく批判した。SAEFは30の小規模な炭鉱会社を代表しており、SAEFによれば、買収の結果として事業の損失を被る可能性があるとしており、又買収によりEskomの石炭供給の72%が2社のみからのものになると主張している。

現在、Seriti社とSAEC社はどちらも、電力公社Eskomと石炭供給に関し長期的供給契約を結んでいる。Seriti社は、New Vaal、New Denmark、Krielの 3つの炭鉱で生産した約2,400万トン/年の石炭をEskomのTutuka、Lethabo及びKrielの3つの発電所に供給している。

また、SAEC社はKhuthala、Ifalethu、Klipspruit及びWolvekransの4つの一般炭炭鉱を操業しており、KhuthalとIfalethu炭鉱は、DuvhaとKendal発電所に石炭を供給している。KlipspruitとWolvekrans炭鉱は、主に輸出用一般炭を生産している。SAECはまた、一般炭を他の国内顧客にも販売している(2019/20年度のSAEC社の生産量は2,267.2万トンで、国内販売1,263.8万トン、輸出971.5万トンだった)。

Seriti社は、New Largo炭鉱プロジェクト(2018年8月1日Anglo Americanから取得、保有権益45%)を推進中で、EskomのKusile発電所に石炭を供給するための長期契約を交渉中である。一方で、同社はPegasus, Leandra 及びNaudesbankプロジェクト等の多くの炭鉱開発プロジェクトを保有している。

Seriti社は、委員会の勧告を歓迎しており、Eskomへの継続的な石炭供給を維持しサポートすることに引き続き尽力していく、とコメントしている。

なお、South32社は2019年11月6日に南アの石炭子会社(SAEC)の保有権益91.835%(8.165%は南ア企業が所有)を南アのSeriti社の子会社であるThabong Coal社に81.835%、地元コミュニティ信託及び従業員信託に各5%売却することに合意している。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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