中国:港の石炭価格が大幅上昇

掲載日:2020年9月17日

9月10日の現地報道によると、煤管票*注の管理規制が日々厳しくなり、石炭生産地である内モンゴルの西地区の石炭供給が影響を受け、石炭需要が高まり価格は上昇した。環境検査、煤管票規制、非電力部門の石炭需要の増加等の影響で、陝西省北部の石炭価格も上昇した。山西省北部の石炭価格は安定している。 

先物価格は上昇傾向で、一般炭の契約価格は585.2元/トンで直近1年の高値となり、スポット価格より20元高い。平年よりも気温が高い日が少ないことから、冷房用電力需要が減少する一方、9月のインフラ建設、化学工業の石炭需要は増加し、非電力部門の石炭企業は積極的に在庫を増加させ、石炭運送船舶数は安定的に推移するとみられる。主要な指数が先週末から大幅に上昇していることから、貿易業者の買い意欲が高くなり、スポット価格が大幅に上昇した。 

秋に入り、発電用石炭の需要が減少し、西南地区において降雨量が増えたことから水力発電の出力が高レベルを保っており、火力発電の出力は低迷している。石炭消費は最盛期と閑散期の過度段階にあり、中継港と発電所の在庫消費が比較的に多く、環渤海港と沿岸発電所の石炭在庫が大幅に減少した。特に大秦線の秋季の定期メンテナンスを前に、発電所は小規模の在庫補充を行う予定である。大秦線の秋季の定期メンテナンスは10月9日~11月2日の間で実施される見通しで、毎日午前中に3~5時間の停電がある。8月に2回連続で事故があったことから、メンテナンスは比較的長期にわたって行われる。 

年始に締結した石炭購入の長期契約比率が低かった影響で、段階的な石炭調達需要が生じるとみられており、石炭は先高の見通しである。ストックのあるトレーダーは値上がりを待っている。一部のトレーダーは先物の期近契約とCCI指数を見て見積価格を大幅に上昇させたが、需要家側の高価格受け入れは限られるとみられる。価格に関して販売側と購入側の意見が相違しており、港の引き渡し量は多くない。 

石炭の大規模調達は9月の中旬から下旬になる見込みである。在庫石炭の減少が速くなり、輸入石炭が補充できない需要家が高価な石炭を徐々に受け入れれば、石炭価格は上昇するであろう。現在注目すべきポイントは大秦線のメンテナンス、渇水の時期、石炭消費企業の操業再開、輸入石炭の制限状況である。 

注:煤管票は正式名称「煤炭运销管理票据」で、石炭の運送、販売、管理用のチケット、受取書のこと。石炭の行政管理部門が石炭の生産能力を確認してから、煤管票を発行する。企業は煤管票で許可された生産能力に従い生産する必要がある。炭鉱から石炭を運送、出荷、販売する際に必要となる。

(北京事務所 塚田 裕之)

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