南アフリカ:石炭産業は2025年に転換点を迎える

掲載日:2020年10月29日

10月21日の現地報道によると、南アフリカの石炭産業は、再生可能エネルギーが既存の石炭火力発電よりも、投下資本と操業費の両面で安価になるはずである2025年までに転換点に達する可能性が高く、これは2030年までに南アフリカの石炭状況が「全く異なる」ものになることを意味しており、国内の石炭生産が断片化して停止し始める可能性が高いと、African Source MarketsのCEOであるBevan Jones氏は10月21日のウェビナーで指摘した。

しかし、短期的には、米国大統領選挙の結果は、選挙をめぐる不確実性が弱気で不安定な市場を生み出す可能性があるため、世界の石炭市場の将来に大きな影響を与える可能性が高いと同氏は警告している。例えば、Joe Biden大統領候補は、米国経済の脱炭素化に2兆ドルを費やしたいと考えている一方で、Donald Trump大統領のプロポーザルには、より多くの石炭火力発電所の閉鎖が含まれているため、石炭部門での雇用喪失につながる可能性がある。しかし、国内では、株主活動家が大規模生産者に石炭投資からの撤退を促し続けているとJones氏は述べ、「気候変動活動は生産を破壊し」、「再生可能エネルギーの台頭は需要を破壊する」と指摘した。

Jones氏は、南アフリカ国内石炭価格の将来は、需要破壊と生産停止によって悪影響を受けるだろうと述べ、スポットマーケットは、これに対処するための「最良の解決策」であると指摘した。さらに、国営電力会社Eskomへの将来にわたる石炭安定供給に対する危険性はまだ不確実であるが、バイオ炭とブラウン水素を業界が拡大するための「重要な可能性」を秘めた手段としてあげた。この点について、同氏は、石炭企業はブラウン水素の可能性を探るためにプラチナ鉱山企業との提携を検討することを提案した。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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