米国:米国の電力部門の石炭消費量は30%減

掲載日:2020年11月19日

11月6日の現地報道によると、記録的な低水準の天然ガス価格、ロックダウンによる電力需要の減少により、2020年上半期の米国電力部門の石炭消費量は前年同期比で30%減少したと、米国エネルギー情報局(EIA)が発表した。

米国の天然ガス価格のベンチマークであるHenry Hubのスポット価格は、年初の暖冬とその後の新型コロナウイルス感染症蔓延による需要の落ち込みにより、2020年上半期に記録的な安値を記録した。EIAの推計によると、6月の月次価格は1.63USD/MMBtuという低価格に達し、インフレ調整済み月次価格は1989年以来の最低となった。これにより石炭火力発電所の出力が低下し、発電部門の石炭消費量が減少した。

今年の石炭消費量低下の他の要因としては、米国がシェールガスの安価で豊富な供給国であること、排出ガス規制の強化により天然ガスが石炭火力発電を代替しているため、石炭火力発電容量が継続的に減少していることが挙げられている。2020年初頭の暖冬も、米国の電力部門における石炭使用量の減少につながった。

米国政府は今年下半期の電力用石炭消費量は上半期に比べて増加すると予想しているが、石炭消費量が昨年下半期の水準に戻るとは予想していない。EIAが発表した10月の短期エネルギー見通し(STEO)の最新の評価の通りであれば、米国の電力部門の年間石炭消費量は1975年以来最低の水準となる。

セメント生産、一次金属製造などを含む小売業やその他の産業部門の石炭消費量も、多くの製造業や事業所が閉鎖されたため、上半期に減少した。EIAによると、2020年1月から7月までのコークスプラントの石炭消費量は、前年同期比14%減少した。

(石炭開発部 弘中 孝宜)

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