米国:Biden政権の国境炭素税導入は緊急ではないが、避けられないかもしれない

掲載日:2020年11月19日

11月9日の現地報道によると、カナダはもはや、米国が国家安全保障を口実に関税を課す心配する必要はないかもしれないが、Joe Biden大統領が「炭素調整料」を課すと約束したことで、カナダのTrudeau政権は、輸出企業が新たな国境税の被害を受けないようにしようと奔走している。

Joe Biden次期大統領の貿易政策は、米国のコンテンツ条項の増加、4,000億USDの「Buy American」調達政策、そして米国に商品を輸出する国に気候と環境に関する義務を課す炭素調整税の導入を求めている。Biden氏は「この変更により汚染国が私たちの労働者や製造業者を弱体化させるのを止める」と述べている。

Barack Obama政権下では、カナダはBuy American政策の免除を得ることに成功した。Trudeau政権は、Biden氏がカナダに同様の取引を提供することを期待すると考えられる。

Biden氏は、炭素価格に関して沈黙する代わりに、電気自動車、ゼロエミッションの公共交通機関、化石燃料以外の電力等のインフラへの2兆USDの投資に焦点を当てている。

ベテランの貿易弁護士であるLawrence Herman氏は、新政権は炭素調整税について数年間は議題にしないだろうと示唆している。合法的に炭素調整税を課すには議会の承認が必要である。Biden氏は、Donald Trump氏が関税を課す際に利用したのと同じ米国通商拡大法第232条の規定を利用することも可能だが、それでは新大統領は偽善の汚名を受けることになる。総合的に見れば国境炭素税は緊急ではないが、避けられないかもしれない。

(石炭開発部 弘中 孝宜)

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