ケニア:中国工商銀行Lamu石炭火力発電所プロジェクトから撤退

掲載日:2020年12月3日

11月20日付の現地報道によると、建設費20億米ドル(2,000 億ケニアシリング)のLamu 石炭火力発電所プロジェクト(発電容量1,050MW)の最大の融資者である中国工商銀行(ICBC:Industrial and Commercial Bank of China)の撤退について物議を醸しており、プロジェクトの実行可能性に疑問が投げかけられている。この展開は、地元のNGOであるSave Lamuが、ICBCの信頼できる関係者の話を引用して報告したものである。同団体によると、ICBCは環境及び社会的リスクを理由にプロジェクトから撤退したというが、ICBCは正式にこの動きを発表していない。ケニアのStar紙は、ICBCのManaging Directorで中国のチーフエコノミストであるJinny Yan氏に連絡を取ったが、報道が出るまでに同氏からの回答はなかった。

ICBCは、石炭火力発電所の建設費20億米ドルの60%に当たる12億米ドル(約1,200億ケニアシリング)を出資する予定であった。Lamu発電所は、ケニアで最初の石炭火力発電所であり、東アフリカで最も大きい発電所で、Lamu 郡のKwasasi での建設が提案されていた。

11月18日、中国大使館の報道官のShelly Huang氏は、現在、同プロジェクトに関与している中国企業はなく、また、ICBCが提案された石炭プロジェクトに投資する意図や関心を持っているとは聞いたことがないと述べ、更に私の知る限り、プロジェクトは数年前から中断されており、現在、このプロジェクトに関与している中国企業は一社もない、と述べている。

本プロジェクトにはアフリカ開発銀行(AfDB)も融資を予定していたが、同行は2019年9月に石炭火力発電事業からの撤退を表明し、11月には本プロジェクトから撤退した。ボイラーやタービンなどの発電設備を供給する予定であった米国のGEも2020年9月に撤退を表明しており、現在では、ほぼすべての主要パートナーは、本プロジェクトから撤退している。本プロジェクトは、Gulf Energy社とケニア政府が所有する産業および商業開発公社の関連会社であるCentum Investmentの合弁会社であるAmu Power社が所有している。

なお、本プロジェクトに関しては、発電所の建設場所がユネスコの世界遺産である島であり、現地住民や環境団体から強い反対運動を受けていた。また、国家環境審判所(The National Environmental Tribunal)は、2019年6月に環境影響評価ライセンスを取り消した。この判決に対しAmu Power社は上訴したが、2020年3月に退けられている。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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