中国:2020年の石炭業界の動向

掲載日:2021年2月4日

1月15日の現地報道で、2020年の中国の石炭業界の動向が報じられた。
 
  • 2020年7月13日、山東能源集団が発足した。
  • 2020年10月20日、吉林省能源投資集団が発足した。
  • 2020年10月28日、山西省国有資本運営有限公司は山西焦煤集団と協議し、山煤集団の株を無償で山西焦煤集団へ譲渡した。
  • 2020年10月30日、晋能控股集団が発足した。
 
2020年は石炭業界にとって合併・再編の年であった。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、下半期に国有重点石炭企業数社が再編案を続々と公表・実施し、石炭産業の集中度が更に上昇した。2020年の石炭企業の合併・再編のうち、最も注目されたのは山東能源集団と晋能控股集団の発足である。
 
2020年7月13日、山東省国有資産監督管理委員会は省属企業の改革業務推進及び幹部大会を開催し、山東能源集団と兖矿集団との合併再編を発表した。合併再編後の新しい集団の名称は山東能源集団である。再編された新しい山東能源集団の登録資本金は247億元、資産総額は6,300億元、石炭の生産能力は約3億トン/年である。
 
2020年9月30日、晋能控股集団は再編案を公表した。山西省は同煤集団、晋煤集団、晋能集団を合併・再編し、潞安集団、華陽新材料科技集団の関連資産と改革後の中国(太原)煤炭交易中心を並行して合併し、晋能控股集団有限公司を設立することを決定した。2020年10月30日、晋能控股集団が発足した。
 
晋能控股集団有限公司は山西省の主力エネルギー企業であり、晋能控股集団の登録資本金は500億元、資産総額は1.11兆元、従業員が47.3万人、石炭生産能力は約4億トン/年である。3,800万kWの発電容量を有し、石炭の機械設備製造の資産規模は369億元である。石炭の生産能力は中国で2位、世界3位である。
 
晋能控股煤業集団運銷総公司の黄永明副総経理は「再編後の晋能控股集団の石炭販売量は過去の2億トン/年以上と比べると、再編後は4億トン/年以上となり、市場シェアが大幅に高まった」と述べており、石炭の価格競争を回避している。
 
晋能控股集団副総経理、晋能控股煤業集団有限公司総経理の王存権氏は「再編後、晋能控股集団は山西省の炭鉱300ヵ所以上を統一管理し、市場の発言権と主導権が大幅に高まった」と述べた。
 
ここ数年、石炭企業の提携再編の多くは中央企業の間、または同一の省内で行われており、省を跨いだ中央企業と省属企業間の提携再編は少ない。
 
中国鉱業大学の教授、管理学院の元院長の聶鋭氏によると、主な理由の一つは財産権の所属関係である。中央企業の国有財産権は国務院の国有資産監督管理委員会に属している。各中央企業は統一・再編を行う際、利益主体は単一であり、原則的に再編において利益対立がない。各省属の国有企業の国有財産権は各省の国有資産監督管理委員会に属している。省を跨いで地方の国有企業を再編する場合、利益主体が多く、再編の障害が多い。
 
現在、山西省、河南省、安徽省と河北省を除いて、全国の主要な石炭生産省のほとんどは省毎に主要石炭企業1社が操業している。他のエネルギー分野に比べると、石炭産業の集中度は比較的低い。
 
山東工商学院の煤炭経済研究院の劉伝庚院長によると、石炭産業の提携・再編が進み、今後、省を跨ぎ、所有制を跨ぐ石炭企業が提携・再編される可能性が高い。山東省と山西省は省属の石炭企業を再編し、次の段階で大規模国有石炭企業が省を跨いで提携・再編できる環境を作り出した。

(北京事務所 塚田 裕之)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ