米国:Biden大統領が化石燃料を標的にした公約を実行

掲載日:2021年2月4日

1月23日の現地報道によると、Joe Biden大統領は就任して数時間後、キーストーンXLパイプラインを中止するという選挙公約を実行した。その日のうちに、内務省は、今後2ヶ月間の新しい掘削許可を承認できるのは、機関のトップだけであることも決定した。

計画に詳しい人々によると、Biden大統領は、来週公約をさらに推し進め、米国の生産量の10%を占める連邦政府所有地における石油およびガス採掘権のリース販売を停止する。米国石油協会の政策担当上級副会長であるFrank Macchiarola氏は「新政権が発足して最初の数日間で、政府は経済に悪影響を与え、アメリカ人の雇用を犠牲にするような行動を取っている」「我々は懸念しており、この国のすべての人が懸念すべきだ」と述べた。

1月20日遅くに署名された内務省の命令は、機関の新しい指導者が就任するまでの60日間の手続きを変更した。石油のリースや許可だけでなく、雇用、採掘作業、環境レビューについての決定に機関のトップが署名することを要求している。

化石燃料業界はこれを悪い前兆と捉えている。関係者は、技術的な許認可の決定が、現場の専門的な規制当局ではなく、政治家の手に委ねられていることを懸念している。また、既存の掘削作業の許可・変更が遅れることを懸念している。政権は、7億エーカー(280万ha)に及ぶ連邦地における石油、ガス、石炭のすべての採掘権に猶予期間を課すことを来週計画しており、より広範な規制の前奏曲だと解釈している。

Western Energy AllianceのKathleen Sgamma代表はこれまでこのような規制に対抗するために裁判を起こすと述べてきたが、「この発表は、リースと許可の一時的な禁止を意図したものだが、より長期的な規制の前兆である」と述べた。

Biden氏の選挙公約と、それを実現するための就任後から今までの動きは、一部の米国の石油生産者にとっては脅威であるが、供給を抑制することで原油価格には恩恵をもたらす可能性がある。Biden政権の行動は、掘削許可を加速させ石油探査の鉱区をできるだけ開放しようとしたDonald Trump前政権下の政策から劇的な変化を示している。そして、その政策の変化は、政権の人事にすでに表れている。Trump政権下の内務省の安全・環境・執行局長官は、長年の石油業界の盟友であり、2010年のDeepwater Horizon事故(2010年のメキシコ湾原油流出事故)後にメキシコ湾の石油プロジェクトの迅速な許可取得を推進した元ルイジアナ州副知事のScott Angelle氏だった。

対照的に、海洋石油リースと風力発電所を監督する海洋エネルギー管理局でBiden氏が最初に採用したのは、Friends of the Earthの元活動家であるMarissa Knodel氏である。Knodel氏は、2016年3月に行われた石油掘削権の競売に抗議した約150人のうちの1人であり、その結果、海洋エネルギー管理局はその後の石油・ガス採掘権販売をオンラインに移行させることになった。

(石炭開発部 弘中 孝宜)

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