フランス:Axa、石炭事業の規模が大きすぎるとしてRWEを顧客から外す

掲載日:2021年3月18日

3月12日付報道によると、フランス最大の保険会社Axaは、ドイツの大手エネルギー企業RWEを顧客から外すことを決定したという。

Axaは2017年に石炭関連の引受制限を課した最初の保険会社となり、2年間の猶予を経て2020年末、炭鉱やプラントへの保険提供を停止した。Axaは年間2,000万トン以上の石炭を生産する企業への保険提供を禁止するという石炭ポリシーを掲げている。

事情に詳しい関係者によると、今回Axaは「RWEの石炭事業は規模が大きすぎ、CO2排出削減に向けた動きが遅すぎる」と考えており、RWEのシュミッツ(Schmitz)CEOが、Axaのブーベル(Buberl)CEOに訴えたが、その信念を撤回させるには至らなかったという。また報道ではAxaはRWEとの関係を来年末までに全て断ち切り、RWEの再生可能プロジェクトへの保険加入も拒否するという。

RWEは、2020年に6,500万トンの石炭を採掘し、10GWを超える石炭設備容量を有しこれは総発電量の25%を占めている。しかし近年再エネ事業にも力を入れており、2040年までにカーボンニュートラルな企業になることを誓約していた。2020年12月には、非営利団体SBT(Science Based Targets)イニシアティブから同社の気候目標がパリ協定の目的に沿ったものであると評価され、積極的な活動を開始していた所であった。その活動の中にシュミット氏がAxaのブーベル氏に復帰を求める電話も含まれていたという。

環境保護団体Sunrise Projectファイナンス・プログラム・ディレクターのボシャード(Peter Bosshard)氏は「Axaは欧州最大級の電力会社であるRWEを、石炭に依存しすぎているという理由で追放し、Axa自身や他の保険会社にとって重要な前例を作った」と言及した。

金融機関は持続可能戦略を策定すると、化石燃料で最も炭素消費量の多い石炭関連企業に対する支援制限から着手する事が多く、その結果、石炭事業への保険料が高騰、米国から豪州に至る石炭企業が保険加入する事が困難な事態に陥っている。ウィリス・タワーズワトソン社報告書によると、石炭会社は40%もの保険料の値上げに直面しているという。

ドイツ最大の保険会社のアリアンツ(Alianz)は、2021年末までに発電量の25%を石炭でまかなっている企業や、5GW以上の石炭火力発電設備を保有する企業を損害保険対象から外す計画を立てているが、RWEは現在、この2条件を満たしていない。ドイツの環境非営利団体UrgewaldのSchueckingディレクターは「保険事業は非常に集中しており、幾つかの大手保険会社がある企業を排除すれば、他の誰もがそれを知り、将来的に他の大手保険会社では歓迎されない顧客となることは目に見えている」と語った。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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