ウクライナ:DTEK、石炭供給関連で罰金

掲載日:2021年3月18日

3月10日付地元報道によると、ウクライナ国家エネルギー当局は、ウクライナ最大のエネルギー会社DTEK社に対し、石炭供給に関連し罰金を科したという。
 
国家エネルギー・公益事業規制委員会(NEURC)は、オリガルヒのアフメトフ(Akhmetov氏が所有するエネルギー企業DTEKの子会社3社(DTEK Zakhidenergo、DTEK Dniproenergo、DTEK Vostokenergo)に対し、法律で定められた最高額の罰金の170万フリヴニャ(約6万1,000USD)、3社計510万フリヴニャを科した。NEURCは罰金の理由として、DTEK社が2020年12月から2021年1月にかけ3つの火力発電所に対し十分な石炭在庫を保証していなかったこと、エネルギー省、国営エネルギー会社Ukrenergo、NEURCに対し燃料の危機的状況についての通知を怠ったことにあるという。
 
DTEKは3月10日の公式声明で、予測できない電力消費の増加と原発からの電力減少で、石炭在庫を迅速に増やせなかったとしてこれらの主張を否定し、控訴を予定していると述べた。またDTEKは危機的な燃料状況は「規制当局の無能さ、市場での操作、欧州規範の選択的適用、市場運営への直接的な行政干渉の結果である」とNEURCを非難する主張を行った。
 
他方、NEURCのタラスキュク(Tarasyuk)委員長は彼らの主張を一蹴し「このような明らかな違反行為は、国全体が電力供給を停止する危険性をもたらすもので最も厳しい処罰に値する」と述べている。
 
NEURCは冬季の電力危機を契機に、ライセンスを保有する電力各社に厳罰の可能性を含めた監査を行った(2021.02.18付『電力危機、及びその背景にある国内の石炭不足』参照)。その結果、冬の厳寒期に火力発電所の発電ユニットの緊急停止が異常に増加していることや、火力発電所に対する石炭が契約数量に比べ実際の供給量が少ないことを確認したという。NEURCはこの問題を「国家安全保障」の問題と考えており、国家安全保障・防衛評議会に本件を移送し、検討を進めているという。
 
また、監査結果は反独占委員会に送付され、石炭・火力発電市場で独占的な地位を確立しているDTEKが、これらの市場でどのような行動をとっているかについて調査を行うという。更にNEURCはその調査結果をエネルギー省に送付している。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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