ロシア:アブラムチェンコ副首相、⽯炭産業の環境影響低減のためのロードマップを承認

掲載日:2021年3月18日

3月4日付の現地報道によれば、アブラムチェンコ副首相は、利用可能な最良の技術(BAT)をベースとした、石炭企業による環境への悪影響を低減させるための行動計画(ロードマップ)を承認した。同副首相によれば、近年、石炭生産による大気汚染、土地破壊、及び産業廃棄物蓄積量が増加しており、水源の汚染や水質の低下が、生態系全体の悪化につながっているとのこと。同副首相は、この行動計画では、近代的で人体に無害な閉鎖型石炭積み替え技術の導入を課題としていると述べた。

同計画によれば、2021年中に法的規制の問題点や石炭生産企業の環境保護活動について全面的な監査が行われる予定で、詳細な分析の後、石炭産業における環境保護規制を改善するために必要となる法律の改正点のリストが作成される。水域や大気に対する影響、及び産業廃棄物処理における影響の許容基準を考慮して、BATへの移行を確実させることを目的とする規制改革を予定している。

同計画は、ケメロヴォ州(クズバス)、イルクーツク州、サハリン州、アムール州、ノボシビルスク州、ロストフ州、トゥーラ州、マガダン州、ザバイカリエ地方、クラスノヤルスク地方、沿海地方、ハバロフスク地方、チュコト自治管区、サハ共和国、ハカシア共和国、トゥヴァ共和国、ブリヤート共和国、コミ共和国の18地域で活動する炭鉱会社の活動に影響する。うち、危険性の高い施設の数が多いのは、沿海地方、ケメロヴォ州、トゥーラ州、ペルミ地方、コミ共和国。

同計画の遂行スケジュール決定にあたっては、各社の投資計画サイクルが考慮された。石炭生産会社がBAT利用をベースに鉱業の環境保全に関する中期プログラムを2021年末までに承認して実施、その後天然資源利用監督局が、中期プログラムの実施報告書の分析に基づき、毎年の監査スケジュールを策定し、監査を通過した企業に対しては、複合的な環境許可証を発行する。

環境に悪影響を及ぼす企業リストに含まれる企業(その汚染物質排出量合計は、ロシア国内排出量の60%以上を占める)を優先して監査が行われ、これらの企業は2022年12月31日までに許可証を受領することになる。その他の石炭企業に関しては、許可証受領期限が2024年12月31日までとされている。

(モスクワ事務所 屋敷 真理子)

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