中国:国家電網公司:「炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラル」行動方案
掲載日:2021年3月25日
3月1日、国家電網公司(中国国営の電力配送会社)が「炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラル」行動方案を発表した。
一、国家電網のエネルギー転換推進における取組み
送電網建設を加速する。第13次五ヵ年計画期間中の送電網投資は約2.4億元であり、スマート送電網を建設し、新エネルギーの適時の系統連系と消化を保証する。送電網の建設を強化し、省を跨ぐ送電能力は2.3億kWとなり、クリーンエネルギー送電量が43%を占め、全国規模での資源最適化を実現した。2020年末時点で、同社営業エリアのクリーンエネルギー発電設備は7.1億kW、このうち、風力発電と太陽光発電の発電設備容量は4.5億kWであり、2015年より14ポイント増加し、利用率は97.1%となった。21の省・区では新エネルギーが第1、第2の電源となった。風力発電と太陽光発電の発電量は5,872億kWhであり、2.5億トンの一般炭消費、4.5億トンのCO2排出を削減した。
電気エネルギーへの代替を大々的に実施し、エネルギー消費の電気化を促進する。ここ数年、実現した代替電力量は計8,677億kWhであり、4.8億トンの石炭消費、8.7億トンのCO2排出を削減した。電気エネルギーが最終エネルギー消費に占める割合は約27%であった。
・電力技術イノベーションを強化し、クリーンエネルギー利用の高効率を促進する。
新エネルギーの急速な発展と新エネルギー発電設備の電力系統への接続によって、電力システムが変化する。(1)新エネルギー発電設備の電力系統への接続により、周波数調整、電圧調整能力が不足するため、電力システムの技術改革が必要となる。(2)新エネルギーを導入しながらも電力を安定供給する。(3)新エネルギー導入によるシステムコスト上昇抑制に注力する。
二、「炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラル」ロードマップの研究
「炭素排出ピークアウト」は基礎、前提であり、「カーボンニュートラル」は最終目標である。エネルギー供給の多元化・クリーン化・低炭素化、エネルギー消費の高効率化・減量化・電気化を加速推進する。2025年、2030年の非化石エネルギーが一次エネルギー消費で占める割合は約20%、25%となる見込み。
三、国家電網公司の行動方案
エネルギーインターネット(能源互連網、電力を含むエネルギーを効率的に運搬、貯蔵するシステム)を推進し、クリーンエネルギー最適化配置の構築に力を入れる。
1.スマート送電網の構築を加速する。
2.地域を越えるクリーンエネルギー輸送を強化する。2025年に、同社営業地区の省・区を越える送電能力を3.0億kWとし、輸送するクリーンエネルギーを50%以上とする。
3.クリーンエネルギーの適時系統連系を実現する。2030年、同社営業地区の風力発電と太陽光発電の設備容量は10億kW以上、水力発電設備が2.8億kW、原子力発電設備容量が8,000万kWとなる。
4.分散型電源とマイクログリッドの発展を支援する。2025年に同社営業地区の分散型太陽光発電設備容量は1.8億kWとなる。
5.エネルギーインターネットへのグレードアップを加速する。2025年に、先進的なエネルギーインターネットの初期版を構築する。
6.システムの調整能力を引き上げる。2025年までに、同社営業地区の揚水発電の設備容量を5,000万kW以上とする。「太陽光発電+エネルギー貯蔵」を積極的に推進する。
7.送電網の配置を最適化する。
8.市場メカニズムを利用し、新エネルギーの地域間取引を拡大する。
9.広く電化を推進する。第14次五ヵ年計画期間中に、同社営業地区の代替電量を6,000億kWhとする。
10.総合エネルギーサービスを積極的に推進する。
11.国家の炭素市場運営を支援する。
12.送電網の省エネ管理を全面的に実施する。
13.オフィスの省エネおよび排出削減を強化する。
14.会社の炭素資産の管理能力を向上する。
15.主要科学技術で革新を起こす。
16.デジタル経済プラットフォームを構築する。
17.国際協力と宣伝を強化する。
18.炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラルグループを組織し、問題解決の調整にあたらせる。
一、国家電網のエネルギー転換推進における取組み
送電網建設を加速する。第13次五ヵ年計画期間中の送電網投資は約2.4億元であり、スマート送電網を建設し、新エネルギーの適時の系統連系と消化を保証する。送電網の建設を強化し、省を跨ぐ送電能力は2.3億kWとなり、クリーンエネルギー送電量が43%を占め、全国規模での資源最適化を実現した。2020年末時点で、同社営業エリアのクリーンエネルギー発電設備は7.1億kW、このうち、風力発電と太陽光発電の発電設備容量は4.5億kWであり、2015年より14ポイント増加し、利用率は97.1%となった。21の省・区では新エネルギーが第1、第2の電源となった。風力発電と太陽光発電の発電量は5,872億kWhであり、2.5億トンの一般炭消費、4.5億トンのCO2排出を削減した。
電気エネルギーへの代替を大々的に実施し、エネルギー消費の電気化を促進する。ここ数年、実現した代替電力量は計8,677億kWhであり、4.8億トンの石炭消費、8.7億トンのCO2排出を削減した。電気エネルギーが最終エネルギー消費に占める割合は約27%であった。
・電力技術イノベーションを強化し、クリーンエネルギー利用の高効率を促進する。
新エネルギーの急速な発展と新エネルギー発電設備の電力系統への接続によって、電力システムが変化する。(1)新エネルギー発電設備の電力系統への接続により、周波数調整、電圧調整能力が不足するため、電力システムの技術改革が必要となる。(2)新エネルギーを導入しながらも電力を安定供給する。(3)新エネルギー導入によるシステムコスト上昇抑制に注力する。
二、「炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラル」ロードマップの研究
「炭素排出ピークアウト」は基礎、前提であり、「カーボンニュートラル」は最終目標である。エネルギー供給の多元化・クリーン化・低炭素化、エネルギー消費の高効率化・減量化・電気化を加速推進する。2025年、2030年の非化石エネルギーが一次エネルギー消費で占める割合は約20%、25%となる見込み。
三、国家電網公司の行動方案
エネルギーインターネット(能源互連網、電力を含むエネルギーを効率的に運搬、貯蔵するシステム)を推進し、クリーンエネルギー最適化配置の構築に力を入れる。
1.スマート送電網の構築を加速する。
2.地域を越えるクリーンエネルギー輸送を強化する。2025年に、同社営業地区の省・区を越える送電能力を3.0億kWとし、輸送するクリーンエネルギーを50%以上とする。
3.クリーンエネルギーの適時系統連系を実現する。2030年、同社営業地区の風力発電と太陽光発電の設備容量は10億kW以上、水力発電設備が2.8億kW、原子力発電設備容量が8,000万kWとなる。
4.分散型電源とマイクログリッドの発展を支援する。2025年に同社営業地区の分散型太陽光発電設備容量は1.8億kWとなる。
5.エネルギーインターネットへのグレードアップを加速する。2025年に、先進的なエネルギーインターネットの初期版を構築する。
6.システムの調整能力を引き上げる。2025年までに、同社営業地区の揚水発電の設備容量を5,000万kW以上とする。「太陽光発電+エネルギー貯蔵」を積極的に推進する。
7.送電網の配置を最適化する。
8.市場メカニズムを利用し、新エネルギーの地域間取引を拡大する。
9.広く電化を推進する。第14次五ヵ年計画期間中に、同社営業地区の代替電量を6,000億kWhとする。
10.総合エネルギーサービスを積極的に推進する。
11.国家の炭素市場運営を支援する。
12.送電網の省エネ管理を全面的に実施する。
13.オフィスの省エネおよび排出削減を強化する。
14.会社の炭素資産の管理能力を向上する。
15.主要科学技術で革新を起こす。
16.デジタル経済プラットフォームを構築する。
17.国際協力と宣伝を強化する。
18.炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラルグループを組織し、問題解決の調整にあたらせる。
(北京事務所 塚田 裕之)
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