スロヴェニア:政府、2033年までの石炭段階的廃止戦略案の公開討論開始

掲載日:2021年3月25日

3月15日付地元報道によると、スロヴェニア共和国インフラストラクチャー省は、石炭の段階的廃止戦略と環境影響評価の素案に係る公開討論を開始した。
 
この文書には、スロヴェニア唯一稼働中のテレモエレクトラルナ・ショーシュタニ(Termoelektrarna Šoštanj:以下TEŠ)石炭火力発電所と炭鉱のあるサヴィニェスコ・シャレシュカ(Savinjsko-Šaleška:以下SAŠA地域)と稼働炭鉱・発電所のないザザフエ(Zasavje)地域の石炭地域2地域について、石炭の段階的廃止を2033年まで(シナリオA)、2038年まで(シナリオB)、2042年まで(シナリオC)とする3つのシナリオが示されている。インフラ省は戦略案ではSAŠA地域ではシナリオAを、ザザフエ地域ではシナリオCを提案しているという。
 
2020年12月下旬に発表された脱石炭戦略の環境影響評価案では、SAŠA地域の環境への悪影響が最も少ないものとして、2033年までの最も早い脱石炭が提案されている。インフラ省の戦略案によると、この環境・空間計画省の意見を踏まえて戦略案の改定を行い、各省庁の代表者が参加する政府作業部会は、公開討論向けに2033年までの石炭廃止シナリオを選択した、と書かれている。
 
現在、SAŠA地域のTEŠ発電所にはプレモゴヴニク・ヴェレニェ(Premogovnik Velenje)炭鉱から燃料が供給されているが、戦略案によると、今後EU-ETS見直し等でCO2価格上昇が見込まれる(2021.03.18付『炭素価格上昇による欧州石炭事業への影響』参照)中、そのコストが既に同炭鉱及び発電所の財務の持続可能性を圧迫していると指摘した。これら炭鉱・発電所は、国有企業ホールディング・スロヴェンスケ・エレクトリアルネ(HSE)の子会社であるが、残るシナリオB、CだとTEŠ発電所は出力を低下させ、HSEの財務にさらに影響を与えると、述べている。
 
政府作業部会は、2021~2027年、2028~2034年の財政期間において、公正移行に向けたEU資金受取を期待しており、これに遅延する事はスロヴェニアの資金獲得能力を危険にさらす可能性があると説明している。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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