中国:直近3年間の国別石炭輸入量の変化

掲載日:2021年8月12日

7月23日付の現地報道によると、2019~2021年の上半期、中国では、国別の石炭輸入量に大きな変化が生じている。
 
2019~2021年(上半期)における国別の石炭輸入量



インドネシアは中国にとって最大の石炭供給国であり、上記、直近3年間(上半期)の輸入量から分かる通り、インドネシア炭の輸入量は堅調に増加している。
 
豪州産石炭の輸入量は、2020年上半期の5,588万トンから2021年同期は0となっており、一方、ロシア、カナダ、米国及びコロンビア産石炭の輸入量は年々増加。そのうち、ロシア、米国及びコロンビア産石炭の輸入量が2021年に明らかに増加している。
また、モンゴル産石炭の輸入量は、2020年に下降したものの、2021年に再び増加傾向にある他、南アフリカ産石炭の輸入量は、2019年と2020年の上半期には0であったが、2021年上半期には344万トンへと急増した。
 
中国では、豪州炭の輸入が停止されてから、2021年以降、国内炭の需給ギャップを補うため、インドネシアやその他の国からの石炭輸入を増加してきた。距離が遠く、海上輸送期間が長いカナダ、米国、コロンビアや南アフリカも、現在では、中国への主要な石炭供給国となっている。

従来、モンゴルは中国にとって2番目の原料炭輸入国であったが、豪州産原料炭の輸入が0になって以降、2021年にはモンゴルが中国の最大の原料炭供給国となった。ここ数ヵ月、コロナ禍の影響でモンゴル産石炭の輸出に支障が生じ、中国向けの石炭輸出が減少してきたが、長期的に見れば、モンゴル産石炭の中国への輸出は安定的に増加すると予想されている。7月中旬に行われた中国・モンゴルの高官通話によると、両国では鉱能(石炭と石炭脈石)、インフラ、生態環境などの分野での提携を強化し、中国側はモンゴル産鉱産物の輸入を増加することを確認した。今後、モンゴル側は主要輸出地区でのコロナ対策の強化やワクチン接種率の向上などを通じ、コロナ禍の沈静化に努めるとともに、鉄道輸送や選炭所などのインフラを徐々に改善することで、中国にとって最大の原料炭供給国としての地位を強固なものにしたい考えであるとされている。
 
現在、政府関連部門は石炭不足による発電機停止を防ぐため、各主要電力企業に対し、短期的に発電所の石炭在庫レベルを引き上げる旨の通達を出した。これにより発電所の石炭在庫補充の需要増加が見込まれる他、政策レベルでは、豪州産以外の輸入炭制限を緩和したことから末端ユーザーの輸入石炭への購入意欲が高まっており、7月の石炭輸入量は6月を超過する見込みである。

(北京事務所 塚田 裕之)

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