南アフリカ:Eskomは石炭灰堆積場ダムのリスクに鑑みCamden発電所を一時閉鎖

掲載日:2020年5月14日

2020年4月29日付の現地報道によると、国営電力会社のEskomは、石炭灰堆積場のダムが決壊し、地元住民を危険にさらす可能性があるため、ムプマランガ州のCamden石炭火力発電所(発電容量1,600MW)を一時的に閉鎖したことを発表し、声明の中で、発電所は専門家委員会による審査後、最大3か月間閉鎖されると述べた。

現在Camden発電所の堆積場のダムは、石炭灰が最大高さに達しているため、堆積場及び近隣のコミュニティのすべての人々に安全上のリスクをもたらしており、環境違反の原因にもなり得ると同社は述べた。

この閉鎖により、南アフリカの電力の大部分を供給するEskomが直面している環境問題が増大することになる。また、同社はムプマランガ州のKendal石炭火力発電所(発電容量4,116MW)の排出ガスが汚染排出基準に違反しているため、同発電所を部分的に停止する可能性に直面している。同社は、2020年の初めにKendal発電所からの排出ガスを抑制するか、部分的な停止を求めるコンプライアンス通知を環境省から受けていた。

Kendal発電所の排出ガスから汚染粒子を取り除く電気集塵機とダスト処理設備は、2018年に起きたストライキの間に損傷を受けており、同発電所の6つの発電ユニットのうち2つは排出基準内で稼働しているが、1つは修理中で停止しており、他の3ユニットは排出基準を超えている。完全な修理は、1ユニットずつしかできないが、一部の作業はすでに実施されていると同社は述べた。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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