南アフリカ:エネルギー専門家が南アの電力破局を警告
掲載日:2021年1月28日
1月21日の現地報道によると、エネルギーの専門家であるTed Bloom氏は、我々のほとんどが目にすることのない国営電力会社Eskomへの見解を持っている。同氏はEskomの石炭ロードマップを再構築するために雇われた。その調査中、同氏はEskomが、化石燃料財団が「石炭の崖」と呼ぶものに直面していると指摘した。南アのニュースWebサイトであるMyBroadBandは、Eskomの発電不足の真の範囲及び2021年の負荷制限の意味について同氏と語った。
・EskomはStage 8の負荷制限を起こしうる、と同氏は警告
南アフリカでは、2021年には冬が終わるまでにステージ8の負荷制限が起きる可能性があり、これまでで最悪の計画停電に備える必要がある。これは、電力・鉱業の専門家であるTed Blom氏が、自由市場財団のChris Hatting氏に、Free Marketeersインターネットラジオ番組の最新エピソードの中で語った見解である。
同氏の警告は、Eskom社が17日に第2段階の負荷制限を継続しなければならないと発表した後のものであり、同氏はその後、Eskomの状況を分析し、来年の負荷制限の予測を発表し、同社が国の送電網から実際に削減している電力量を過小評価していると主張した。これは、Eskomが一般向けに負荷制限を発表する際には、最初から大口顧客への2,000MWの供給を遮断しているためで、Eskomがステージ1、又は1,000MWの負荷制限を行っていると言うときは、実際には3,000MWが削減されている、と同氏は述べた。また、Eskomの業務規則では、1,000MWまでの負荷制限が必要な場合には、ステージ1が、2,000MWまでの負荷制限が必要な場合には、ステージ2が実施される、とも述べた。
Eskom は、この一週間、ステージ 2の負荷制限を行っていると述べているが、同氏は、一貫して 2,000MW 以上が不足しており、技術的には Stage 3 が実施されていることを意味し、このため実際には、数字を足し合わせると、削減計画からの2,000MWに加えて、公共からの2,000MWとさらにそれを超える削減が行われており、同社が公共取引において、より透明性があり誠実であれば、実際にはステージ5の負荷制限になる、と述べている。
・負荷制限、最悪の年
Eskom社は、負荷制限を実施する前に約11,000MWの不足分に対処できるとしているが、最新の同社のシステム状況報告書における今後3ヶ月間の見通しでは、計画的な保守作業と計画外の停電を考慮に入れると、ほぼ一貫して20,000MW以上が利用できない状況が発生することが示されている。これは、今後3ヶ月間の利用不能な容量が約9,000MW程度になることを意味している。このため、今から冬の終わりまでに、ほぼ確実にステージ6の負荷制限が発生し、ステージ8以上の可能性があっても驚くことではないと、Ted Blom氏は確信している。また、Eskomは、自社データを基に今年は昨年よりも負荷制限が悪化するだろうと予測しているが、もし実現すれば2021年は同社の歴史上最悪の年になる、と同氏は述べた。これは、ここ数年の間に、日数とMWhの制限量の両方の観点から負荷制限量が増加していることに追随するものである。なお、2020年には 負荷制限は、52日、1,260GWhを超えた。
・ステージ8で何が起こるか
ステージ8の負荷制限は、システムの全面的な崩壊を防ぐために、8,000MWの電力を送電網から削減する必要がある場合に実施される。ステージ8では、頻繁な停電が起き、4日間で48時間、つまり1日のうち半分が停電状態になる。南アフリカで以前に経験した最悪の負荷制限は、Medupi発電所で技術的な問題が発生した2019年12月に実施されたステージ6であった。当時、Eskomは、同社の発電能力の約40%が利用できない状態で、6,000MWを削減する必要があった。
・Eskom社の対応
EskomはMyBroadbandに対し、ステージ4以下の負荷制限のみに努め、本当に必要な場合にのみ負荷制限を行うようにしているが、多数の発電ユニットの同時故障やガスタービン発電所での燃料不足や揚水発電所での水不足等が発生した場合には、より高いステージでの負荷制限が必要になる可能性があると述べている。検討された計画シナリオでは、最大14,000 MWの設備容量が計画外に使用できなくなった場合、ステージ3までの負荷制限が行われる、とEskomは述べているが、これに揚水発電所での水不足やガスタービン発電所での燃料不足が重なれば、より高い段階での負荷制限が実施される、と付け加えた。
・EskomはStage 8の負荷制限を起こしうる、と同氏は警告
南アフリカでは、2021年には冬が終わるまでにステージ8の負荷制限が起きる可能性があり、これまでで最悪の計画停電に備える必要がある。これは、電力・鉱業の専門家であるTed Blom氏が、自由市場財団のChris Hatting氏に、Free Marketeersインターネットラジオ番組の最新エピソードの中で語った見解である。
同氏の警告は、Eskom社が17日に第2段階の負荷制限を継続しなければならないと発表した後のものであり、同氏はその後、Eskomの状況を分析し、来年の負荷制限の予測を発表し、同社が国の送電網から実際に削減している電力量を過小評価していると主張した。これは、Eskomが一般向けに負荷制限を発表する際には、最初から大口顧客への2,000MWの供給を遮断しているためで、Eskomがステージ1、又は1,000MWの負荷制限を行っていると言うときは、実際には3,000MWが削減されている、と同氏は述べた。また、Eskomの業務規則では、1,000MWまでの負荷制限が必要な場合には、ステージ1が、2,000MWまでの負荷制限が必要な場合には、ステージ2が実施される、とも述べた。
Eskom は、この一週間、ステージ 2の負荷制限を行っていると述べているが、同氏は、一貫して 2,000MW 以上が不足しており、技術的には Stage 3 が実施されていることを意味し、このため実際には、数字を足し合わせると、削減計画からの2,000MWに加えて、公共からの2,000MWとさらにそれを超える削減が行われており、同社が公共取引において、より透明性があり誠実であれば、実際にはステージ5の負荷制限になる、と述べている。
・負荷制限、最悪の年
Eskom社は、負荷制限を実施する前に約11,000MWの不足分に対処できるとしているが、最新の同社のシステム状況報告書における今後3ヶ月間の見通しでは、計画的な保守作業と計画外の停電を考慮に入れると、ほぼ一貫して20,000MW以上が利用できない状況が発生することが示されている。これは、今後3ヶ月間の利用不能な容量が約9,000MW程度になることを意味している。このため、今から冬の終わりまでに、ほぼ確実にステージ6の負荷制限が発生し、ステージ8以上の可能性があっても驚くことではないと、Ted Blom氏は確信している。また、Eskomは、自社データを基に今年は昨年よりも負荷制限が悪化するだろうと予測しているが、もし実現すれば2021年は同社の歴史上最悪の年になる、と同氏は述べた。これは、ここ数年の間に、日数とMWhの制限量の両方の観点から負荷制限量が増加していることに追随するものである。なお、2020年には 負荷制限は、52日、1,260GWhを超えた。
・ステージ8で何が起こるか
ステージ8の負荷制限は、システムの全面的な崩壊を防ぐために、8,000MWの電力を送電網から削減する必要がある場合に実施される。ステージ8では、頻繁な停電が起き、4日間で48時間、つまり1日のうち半分が停電状態になる。南アフリカで以前に経験した最悪の負荷制限は、Medupi発電所で技術的な問題が発生した2019年12月に実施されたステージ6であった。当時、Eskomは、同社の発電能力の約40%が利用できない状態で、6,000MWを削減する必要があった。
・Eskom社の対応
EskomはMyBroadbandに対し、ステージ4以下の負荷制限のみに努め、本当に必要な場合にのみ負荷制限を行うようにしているが、多数の発電ユニットの同時故障やガスタービン発電所での燃料不足や揚水発電所での水不足等が発生した場合には、より高いステージでの負荷制限が必要になる可能性があると述べている。検討された計画シナリオでは、最大14,000 MWの設備容量が計画外に使用できなくなった場合、ステージ3までの負荷制限が行われる、とEskomは述べているが、これに揚水発電所での水不足やガスタービン発電所での燃料不足が重なれば、より高い段階での負荷制限が実施される、と付け加えた。
(石炭開発部 奥園 昭彦)
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