南アフリカ:Exxaro社、一般炭への更なる投資を停止

掲載日:2021年2月11日

2月2日付の現地報道によると、南アフリカの石炭会社であるExxaro Resources社のCEOであるMxolisi Mgojo氏は、2日、バーチャルで開催された2021 Investing in African Mining Indaba会議のESGに焦点を当てたパネルディスカッションの中で、我々は今後一般炭資産への投資は行わないが、既存の供給契約に沿ってEskom社のMedupi発電所とMatimba発電所への石炭供給は継続する、と述べた。この一般炭資産への投資の停止は、同社が取り組んでいる2050年までにカーボンニュートラルに移行するための一環である。

同社は2017年に水、食糧安全保障、クリーンエネルギーへの投資機会を模索し始め、ポートフォリオの戦略的見直しの一環として、すでに石炭資産の一部を売りに出している。また、同社は、ミネラルサンド、鉄鉱石、エネルギーにも権益を持っており、環境に優しいエネルギーへの投資機会を求め、2019年には東ケープ州にある2つの風力発電所の完全所有権を取得した。

アフリカ大陸最大の温室効果ガス排出国である南アフリカは、電力の大部分をEskom社の石炭火力発電所で賄っているが、今後は発電源の多様化に向けて動き出す計画である。気候変動を食い止めようとする圧力が高まっているにもかかわらず、鉱業が主要な雇用主である南アフリカでは、再生可能エネルギー源への移行は微妙なものと見られている。南アフリカの石炭産業は、業界全体で約46万人の従業員のうち、2019年には9,400人以上を雇用している。

なお、同社は一般炭及び原料炭を生産する次の6つの炭鉱(Grootegeluk炭鉱、Leeuwpan炭鉱、Matla炭鉱、Dorstfontein複合炭鉱、Belfast炭鉱)とAnglo American社とのJV炭鉱であるMafube炭鉱(権益比率50:50)を有している。2019年の生産量は、45,277千トン(一般炭43,203千トン、原料炭2,074千トン)、販売量は44,533千トン(一般炭43,503千トン、原料炭1,030千トン)で、うち輸出は9,087千トンだった。また、2020年上半期の生産量は23,123千トン、販売量は22,969千トンで、うち輸出量は5,760千トンだった。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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