ベトナム:ベトナム、少なくとも15年間は石炭火力発電所が必要

掲載日:2021年3月25日

3月19日付の地元報道によると、ベトナムは、関連する環境問題にもかかわらず、少なくとも今後15年間は石炭火力発電所を使わなければならないと専門家は言う。

ベトナムがエネルギー安全保障を確保し、安定した価格を維持するのに役立つものは石炭火力発電以外に現状存在しないと付け加えている。

2025年までに建設完了予定の進行中の計画には、ベトナム北部のNam Dinh1やThai Binh2などがあり、2035年以降も価格の高騰を防ぐために、少数の石炭火力発電所を必要とするであろうとエネルギー研究所は同国の最新のエネルギー開発計画について述べている。

同研究所によると、石炭を代替するためのLNGプロジェクトの開発はエネルギー安全保障を低下させ、そのコストは石炭よりも年間約20億米ドル高く、再生可能エネルギーでは10億米ドル高くなるという。

一方、いくつかの地域やエネルギー機関、デンマーク大使館は、有害物質排出を削減するために、ベトナムが今後10年間新規石炭火力発電所を開発しないよう提言している。それらの地域では、石炭火力からのエネルギー減少分を補うため、太陽光、風力、LNGプロジェクトの開発を提言している。

2021-2030年の暫定的なエネルギー計画では、ベトナム商工省は、今後10年間に必要とされる約80GWの発電容量の増加のうち、風力発電と太陽光発電が約30GWを担い、残りのほとんどを石炭火力、ガス火力、LNG火力発電所が担うことを提案している。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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