カナダ:連邦政府、セレン放出可能性のある新規及び拡張石炭プロジェクトの環境レビューを実施

掲載日:2021年6月24日

6月16日の現地報道によると、連邦政府は、汚染物質であるセレンを放出する可能性のある新規及び拡張石炭プロジェクトの環境審査に乗り出す。1日の生産量が5,000トンを超えるプロジェクトは、自動的に連邦政府の影響評価を受けることになるが、Jonathan Wilkinson連邦環境大臣によると、小規模な炭鉱もセレンを水路に放出する可能性があることから、今後は規模にかかわらずすべてのプロジェクトが審査されることになる。

セレンは夾炭層の岩石に多く含まれており、アルバータ州の炭層のいたるところで検出され、大量に摂取すると魚に有毒であり、地下水に混入すると管理が難しい。ブリティッシュコロンビア州のElk Valleyでは、2021年3月、Teck Resources社の子会社であるTeck Coal社はBC州南東部のElk Valleyの水路をセレンで汚染し、漁業法史上最大の罰金を科せられている。

Teck Resource社のElk Valley拡張計画のように、一部の石炭プロジェクトはすでに連邦政府の審査を受けている。Wilkinson大臣は、セレンの魚やその生態系への影響は、連邦政府の管轄分野であり、連邦政府の関与は正当で適切なものである。審査は法律で定められた期限内に行われるため、承認に時間がかかることはなく、複数の開発による累積的な影響も考慮することができるとし、審査がすべてのプロジェクトを拒否するものではなく、プロジェクトが環境的に持続可能な方法で行われることを確実にするために、どのように評価し、どうするのが最善かを考えることだ、と述べている。

Wilkinson大臣によると、連邦政府はセレンを含む炭鉱排水に対する新しい規制を準備しており、これらの規制は秋には提出されるだろうと述べている。

なお、2021年2月、アルバータ州政府は、世間の強い反発を受けて、2020年6月に廃止した1976年制定の石炭開発政策を復活させ、新規探査鉱区のリースを一時停止し、サイトクリーニング、道路建設、ボーリングなどの許可を停止した。州政府はこの問題について人々の意見を聞くためのパネルを設置し、今年11月に報告する予定である。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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