カナダ:連邦政府、アルバータ州南西部でのGrassy Mountain炭鉱計画を認めず

掲載日:2021年8月12日

8月8日の現地報道によると、連邦政府のJonathan Wilkinson環境・気候変動大臣は、アルバータ州南西部で、豪州のRiversdale Resources社傘下のBenga Mining社から提案されているGrassy Mountain原料炭プロジェクトは認められないと6日に発表した。

Wilkinson大臣は、鉱業は経済的に重要であるが、環境に重大な悪影響を及ぼす恐れがあり、今回の決定は共同審査委員会の報告書の結果を含む情報に基づいており、このプロジェクトは地表水の水質、絶滅危惧種のウエストスロープ・カットスロート・トラウトや絶滅危惧種のホワイトバークパインなどの生物種、そしてKainai、Piikani、Siksikaの各先住民族の物理的・文化的遺産に害を及ぼす可能性が高いと述べた。

ウエストロープ・カットスロート・トラウトのような健全な魚類個体群のために水路を保護し、先住民の文化と生活様式を尊重し、将来の世代のために環境を保護することは、カナダにとって最大の利益となるとCanadian Parks and Wilderness SocietyのスポークスマンであるKatie Morrison氏は、連邦政府の決定を称賛し、又これは、露天掘りによる環境への影響が潜在的な利益を上回るという、アルバータ州エネルギー規制当局の先の結論を補強するものだと述べた。

今回の連邦政府の決定についてコメントを求められたアルバータ州政府は、6月に合同審査委員会が鉱山の申請を却下した際にSonya Savageエネルギー大臣とJason Nixson環境・公園大臣が行った声明は今も有効であると述べた。両大臣は、合同委員会がプロジェクトは地表水の質、特にウエストロープ・カットスロート・トラウトとその生息地に有害な環境影響を与えると判断したことを認め、提案されたすべての石炭プロジェクトは、開発が安全で、環境に責任を持ち、すべての要件を満たすことを保証するために、厳しい審査を受けるが。今回のケースでは、そのプロセスが適切に機能したと述べた。

Benga Mining社の関係者からのコメントは得られなかったが、同社は6月、公益性がないとしてプロジェクトを却下した審査委員会の決定に対し、上訴を申請した。裁判所に提出した書類の中で、アルバータ州エネルギー規制当局を含む審査委員会の6月17日の決定には、法律と手続き上の公正さに誤りがあり、上訴許可を与えるべきだと述べている。また、7月下旬には、アルバータ州の2つの先住民族が、6月の決定に対する上訴を別々に申請しており、Stoney Nakoda族は、委員会が、プロジェクトを拒否することがStoney Nacoda族の先住民の権利と条約上の権利、及びそれらの権利の調整に関連する経済的利益に与える影響を適切に評価していないと述べた。Piikani First Nationも同様の要求を提出している。

なお、Benga Mining社は、Crowsnest Pass地域で計画している原料炭炭鉱は、約23年間の操業期間中に数百人の雇用を創出し、年間最大450万トンの石炭を生産し、17億カナダドルの税収とロイヤルティを生み出すと発表している。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ