カナダ:Benga Minig社、炭鉱開発計画却下に対して司法審査を申請

掲載日:2021年8月26日

8月16日の現地報道によると、Riversdale Resources社の子会社であるBenga Minig社は、アルバータ州ロッキー山脈Crowsnest Passで8億カナダドルを投じるGrassy Mountain原料炭プロジェクトが却下されたことについて、8月13日にカナダ連邦裁判所に司法審査を申請した。

Benga社は、Jonathan Wilkinson環境・気候変動大臣が8月6日に下した、環境に重大な悪影響を及ぼす恐れがあるとの決定を無効にするか、取り消す命令を申請した。また、Benga社は、プロジェクトが「引き起こす可能性のある重大な環境への悪影響は、状況的に正当化されない」とした閣議決定の破棄も求めている。

大臣の決定は、6月17日に行われた合同審査委員会(Joint Review Panel)によるGrassy Mountainプロジェクトの却下決定に基づいているが、Benga社は、この決定は、7月16日と19日に、Benga社とPiikani族およびStoney Nakoda族の先住民族がアルバータ州控訴裁判所に申請したにもかかわらず、なされたものだと述べている。

Benga社によると、6月26日に同社の顧問弁護士がWilkinson大臣に書面を送り、控訴審での法的手段の追求を可能にするために、現時点では何もしないよう正式に要請した。また、同社は、7月6日にカナダ影響評価庁(Impact Assessment Agency of Canada)に書面を出し、アルバータ州控訴裁判所での同社の法的異議申し立てが解決するまで、大臣が連邦政府の手続きを保留しなければ、同社やプロジェクトから利益を得る可能性のある先住民族グループに不利益を与えることになると伝えた。同社のCEOであるJohn Wallington氏は、声明の中で、「カナダの環境大臣が、複数の法的問題に直面している報告書に基づいて、これほど急いで決定を下したことに失望しています。」と述べた。

Wilkinson大臣は8月6日に、「このプロジェクトが、セレンを含む排水によるものを含め、地表水の水質、絶滅危惧種法で絶滅危惧種に指定されているウエストスロープ・カットスロート・トラウトとその生息地及びホワイトバーク・パインや、先住民族であるKainai族、Piikani族、Siksika族の物理的・文化的遺産に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。カナダ政府は、経済と環境への配慮のバランスを取りながら、入手可能な最善の科学的証拠に基づいて決定を下さなければならない。ウェストスロープ・カットスロート・トラウトのような健全な魚類個体群のために水路を保護し、先住民の文化と生活様式を尊重し、将来の世代のために環境を保護することは、カナダにとって最大の利益となる。」と述べている。

Benga社によると、このプロジェクトは、炭鉱操業期間中に州および連邦政府の所得税とロイヤルティで17億カナダドルの貢献が見込まれ、プロジェクトの土地利用区分は、地表または地下での採掘が検討できるカテゴリー4で、採掘対象地域の約25%は60年以前に採掘され、当時は適切に修復されなかった採掘跡地で、本プロジェクトが進めば修復される予定であるという。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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