EU:今夏、EUの太陽光発電量が過去最高を記録

掲載日:2021年9月2日

気候とエネルギーのシンクタンクであるEmberは8月18日に「今夏、EUの太陽光発電量が過去最高を記録」とのレポートを公表した。分析によると、2021年6月と7月のピーク時に太陽光による発電量が過去最高を記録し、EU27カ国の総発電量の10%を占めたという。

分析によると、欧州では6月から7月の夏にかけての太陽光発電のピークが年々大きくなっている。2021年6月から7月の太陽光発電量は、2018年の同時期の28TWhから増加し、EUの発電量の10%(39TWh)を記録した。EUでは太陽光発電量の増加が加速しており、対前年6~7月比で2021年は5.1TWh増、2020年は3.1TWh増、2019年は2.6TWhと年々大きくなっている。

2021年6月から7月に太陽光発電量が10分の1を超えたEU諸国は7カ国で、オランダ(17%)、ドイツ(17%)、スペイン(16%)、ギリシャ(13%)、イタリア(13%)がこれを牽引した。ハンガリーは2018年6月から7月以降、太陽光発電のシェアが4倍になり、オランダとスペインは2倍になった。エストニアとポーランドは、2018年にはほぼゼロだったが、2021年6月から7月にはそれぞれ10%と5%になった。

2021年夏、ハンガリーでは初めて太陽光発電が石炭火力による発電量を上回った。この出来事は、前年にギリシャとポルトガル、数年前にはオランダ、イタリア、フランス、スペイン、オーストリア、ベルギーでも達成されていた。ハンガリーでは、太陽光発電が2018年6月から7月の電力の3%から今夏は12%に増加した。これに対し、ハンガリーの石炭火力発電は、2018年6月から7月の発電電力量17%が、今夏はわずか10%に減少した。

しかしながら、EUの太陽光による発電量は、2021年6月から7月でEUの発電量の14%(58TWh)を占める石炭発電にはまだ及ばない。EU27カ国では、過去2年間、毎年平均して14TWhの太陽光発電が増加してきたが、欧州委員会によると、EUが新たに設定した2030年の気候目標を達成するためには、今後10年間で毎年の増加量を倍の30TWhにしなければならないとしている。

太陽電池市場は、この成長を支える体制が整っており、現在、ドイツ、英国、イタリア、フランス、スペインなどの主要市場では、既存の化石燃料発電所に比べて、新規の太陽光による発電コストは半分になっている。実用規模の太陽光発電の世界平均電力平準化コスト(LCOE)は、2010年の381米ドル/MWhから2020年には57米ドル/MWhにまで低下している。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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