ドイツ:裁判所がDatteln 4石炭火力発電所の許可を取り消す

掲載日:2021年9月2日

8月27日の現地報道によると、ドイツの裁判所は、2020年5月に操業開始した同国で最新の石炭火力発電所で、North Rhine-Westphalian州Datteln市に位置するDattlen 4発電所に対して、建設許可が違法に与えられたことを認める判決を下した。

この判決により、Datteln 4発電所が操業を継続するために必要な2つの法的基盤のうちの1つが失われたが、フィンランド企業Fortum社の子会社であるUniper社が運営する1,100MWの石炭火力発電所は、今回の判決がドイツの排出ガス規制法に基づく認可に影響を与えないため、これまで通り運転を継続するとのことである。

今回の裁判を起こした住民は、Datteln 4発電所の運転許可に対する2回目の裁判も起こしており、再び敗訴となれば、発電所は運転を停止しなければならない。裁判所は、地域の計画者は、「スペースへの要求がはるかに少なく、環境への影響がかなり少ない」ガス発電所などの代替案を検討すべきだったと判断した、とSpiegel誌は報じている。

この判決は、来月の連邦選挙でメルケル首相の後継者となることを目指しており、この発電所を強く支持してきたNorth Rhine-Westphalia州のArmin Laschet首相にとって、政治的な打撃となると考えられる。

環境保護団体であるClientEarthとFriends of the Earth(BUND)は、Datteln 4発電所に対する訴訟を支持しており、ClientEarthのFrancesca Mascha Klein弁護士は、「この判決は、石炭を支持する政治家や企業に対する新たなメッセージです。子ども病院の近くにあり、何百もの家庭の目の前にあるこの発電所は、有害物質の排出や気候変動への影響を考慮すれば、承認されるべきではなかった。」と述べている。

ドイツの2020年石炭撤退法によれば、最後の石炭火力発電所は遅くとも2038年までには停止しなければならないが、多くの専門家や政治家は、CO2排出量に対する価格の上昇に伴い、石炭の終焉は早まると考えており、今年9月に行われるドイツの総選挙に向けて、石炭からの早期撤退が選挙戦のテーマとして注目されている。

Uniper社は2021年初め、政府からの要請があれば、Datteln 4発電所を予定よりも早く停止することを検討すると述べている。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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