欧州:石炭の生産量と消費量が減少傾向にある

掲載日:2021年9月9日

8月30日の現地報道によると、EU(英国除く27カ国、以下同様)における2020年のハードコールと褐炭の消費量は2018年に比べて各々35%と33%減少した。また、ハードコールの生産量は、1990年に比べて80%減少し、5,653万トンとなった(1990年2億7,742万トン)。

EU委員会によると、この減少は、COVID-19による2020年のエネルギーの需要減少と産業生産の減少に起因するという。1990年には13カ国が生産していたハードコールは、2020年にはわずかポーランド(96%)とチェコ(4%)の2カ国が生産しているのみである。

EUでは、太陽光、風力、天然ガス、水素などの低炭素エネルギーに移行する国が増えており、2020年に消費されたハードコールは、1990年比で63%減の1億4,376万トンとなった(1990年3億8,987万トン)。また、欧州委員会によると、鉄鋼の生産など様々な産業で使用されるコークスの生産量が減少したことにより、EU全域でハードコールの消費量が減少したという。

一方、2020年にEUで消費された褐炭は、1990年比で64%減の2億4,634万トンだった(1990年6億9,097万トン)。2020年に褐炭を消費した主要国は、ドイツ(44%)、ポーランド(19%)、チェコ(12%)、ブルガリア(9%)、ルーマニア・ギリシャ(6%)の6カ国だった。また、2019年に消費された褐炭のうち、93%が電力用だった。

グリーンディール、Fit for 55パッケージなどの政策の制定、グリーンプロジェクトへの資金提供の増加、石炭火力発電所の廃止の増加に加え、企業や公益事業者が採用する持続可能性計画が、石炭の生産と消費の減少を促している。

例えば、チェコ共和国のCEZグループは、同国最大の地域暖房源であるMělník石炭火力発電所の1ユニットを8月に閉鎖したが、これは同発電所の3つの石炭火力ユニットを2030年までに閉鎖する計画に沿ったものである。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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