英国:新規坑内掘り炭鉱鉱開発計画の公開調査を開始

掲載日:2021年9月16日

9月7日の現地報道によると、英国政府は各国に石炭廃止を説得しようとしているおり、このプロジェクトを許可すると間違ったメッセージを送ることになるという苦情の中で、30年ぶりとなる新規坑内掘り炭鉱開発計画に関する公聴会が開始された。

イングランド北西部の地方計画当局は、West Cumbria Mining社が提案するプロジェクトを承認していたが、Robert Jenrick地域社会長官(Communities Secretary)は、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという政府の目標に抵触する可能性があるとして、3月に調査を命じていた。

同社は、年間約300万トンの原料炭を採掘し、532人の直接雇用と1,618人の間接雇用を創出したいと考えており、原料炭は、工場や発電所の燃料としてではなく、鉄鋼の生産に使用されるとしているが、気候活動家は、このプロジェクトが、リサイクルの促進や原料炭の代わりに水素を使用する新技術の開発など、鉄鋼業界の脱炭素化に向けた取り組みを阻害すると指摘している。

このプロジェクトは、ボリス・ジョンソン首相が率いる保守党政権が、11月にグラスゴーで開催される国連気候変動サミットの開催に向けて、各国に石炭生産の段階的廃止を迫っているという微妙な時期と同時に、開発計画が進行している。

「世界が壊滅的な気候変動に向かって進んでいる今、私たちは化石燃料を増やしてアクセルを踏むのではなく、ブレーキを踏むべきです。Cumbria地方のような地域は、経済を変革し、新しい雇用を創出し、私たちが緊急に必要としているよりクリーンな未来を築くために、政府の計画の最前線に立つべきです」と、Friends of the Earthの気候キャンペーン担当者であるTony Bosworth氏は述べている。

4週間の公開調査は、10月1日に終了する予定で、その後、調査を行っている計画担当者が、政府がプロジェクトを承認すべきか否かの勧告を行い、Jenrick長官が最終決定を下すことになる。

公開調査の主な当事者は、West Cumbria Mining社、Friends of the Earth社、そしてこのプロジェクトへの反対を主導してきた地元の環境保護団体South Lakes Action on Climate Changeである。当初はプロジェクトを承認したが、その後、炭鉱開発に対して「厳格な中立」の立場を採用しているカンブリア郡議会も参加している。また、一般市民からの意見も求められており、8日には40人近くが発言する予定である。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ