ポーランド:EUからの炭鉱操業を巡っての罰金支払い命令に対し、ポーランド首相は反論

掲載日:2021年9月30日

9月22日の現地報道によると、ポーランドのMateusz Morawiecki首相は9月21日、EUの最高裁がチェコとの国境近くにある炭鉱の閉鎖を要求したことに対し、反論した。ポーランド通信社によると、Morawiecki首相はメディア・ブリーフィングで、我々はTurow炭鉱を閉鎖するつもりはない。閉鎖は、ポーランドの何百万もの家族の電力を奪うことになるだろう、と述べている。

チェコは、同炭鉱が国境を越えて、特に大気や水質に関わる環境破壊を引き起こしていると訴え、裁判を起こしていた。EUの最高裁判所は2021年5月、ポーランドに炭鉱の操業停止を命じたが、ポーランドはこれに応じなかったため、6月、チェコはEUの最高裁判所に対し、ポーランドが炭鉱の生産を停止しなかった場合、1日あたり500万ユーロ(590万ドル)の罰金を科すよう求めていた。EU司法裁判所は9月20日、ポーランドがTurow露天掘り炭鉱の閉鎖を拒否したことに対し、1日あたり50万ユーロ(58万6,000ドル)の罰金を科した。裁判所が命じた一日あたりの罰金額はかなり少ないが、チェコはこの判決を、現在進行中の本件に関する二国間交渉のレバレッジとして注目している。なお、罰金は炭鉱の操業を停止するまで継続される。

裁判所の判決にもかかわらず、ポーランドは炭鉱操業を継続するとしており、政府のPiotr Muller報道官は、「Turow炭鉱での作業を中断すれば、ポーランドの電力システムの安定性が脅かされる」と述べた。一方、チェコのJakub Kulhanek外相は、この判決を歓迎し、「主な目的は変わらず、チェコ側の飲料水へのアクセスを危険にさらしてはならない」と、判決を歓迎した。

ポーランドは、Turow炭鉱を閉鎖することは、同国のエネルギー安全保障を危うくすると主張している。1904年から操業しているこの炭鉱は、電力の約7%を供給する発電所の燃料となっており、4,000人の従業員が働いている。

ドイツとチェコは、この炭鉱の拡張による騒音や粉塵の増加を訴えているが、ポーランドは、両国はポーランドとの国境近くに褐炭炭鉱を所有していると主張している。なお、ポーランドは、電力需要の80%を石炭に依存しているが、2049年までに最後の炭鉱を閉鎖すると宣言している。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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