カナダ:ビスタ炭鉱の拡張工事は、連邦政府の審査の対象となる
掲載日:2021年10月14日
10月5日の現地報道によると、カナダ連邦政府のJonathan Wilkinson環境・気候変動大臣は、2019年の決定を覆し、アルバータ州Honton近郊に位置するCoalspur Mines社のVista一般炭炭鉱の露天掘り拡張と坑内掘り開発を連邦政府の審査対象とすることを決定した。
炭鉱の50%の拡張および/または1日当たり5,000トン以上の生産量にしようとする場合、連邦政府の環境審査を受ける必要があるが、環境や先住民の権利に対する潜在的なリスクは州の承認プロセスによって対処されるとし、2019年12月に連邦政府は影響評価法に基づく連邦審査には指定されないとしていたが、2020年7月、Wilkinson大臣はVista炭鉱の拡張が規制対象となる閾値に近く、いずれ審査基準を超えると判断し、連邦と州の合同委員会の合同審査を受ける必要があるとした。
この決定に対して、Coalspur社とErmineskin先住民族が連邦裁判所で異議を申し立てたが、その後、Coalspur社の訴訟は却下された。大臣は、炭鉱の拡張工事の規模や、水路や生物生息地など連邦政府の管轄領域を脅かす可能性があること、さらに、拡張に反対する他の先住民族のコミュニティと協力していくためにも、連邦政府による審査が必要だと主張している。
Vista炭鉱の拡張プロジェクトは現在、アルバータ州エネルギー規制当局による州の環境評価を受けている。同炭鉱は2019年に生産を開始し、5月に最初の出荷を行った。年間650万トンの生産能力を有し、アジアの顧客に輸出しており、今回の拡張計画が実現すれば、北米最大の一般炭炭鉱となる。Coalspur Mines社は2021年6月に債権者保護を申請しており、同鉱山は現在、Cutlass Collieries社と米国のCline Group社の関連会社であるBighorn Mining社によって運営されている。
炭鉱の50%の拡張および/または1日当たり5,000トン以上の生産量にしようとする場合、連邦政府の環境審査を受ける必要があるが、環境や先住民の権利に対する潜在的なリスクは州の承認プロセスによって対処されるとし、2019年12月に連邦政府は影響評価法に基づく連邦審査には指定されないとしていたが、2020年7月、Wilkinson大臣はVista炭鉱の拡張が規制対象となる閾値に近く、いずれ審査基準を超えると判断し、連邦と州の合同委員会の合同審査を受ける必要があるとした。
この決定に対して、Coalspur社とErmineskin先住民族が連邦裁判所で異議を申し立てたが、その後、Coalspur社の訴訟は却下された。大臣は、炭鉱の拡張工事の規模や、水路や生物生息地など連邦政府の管轄領域を脅かす可能性があること、さらに、拡張に反対する他の先住民族のコミュニティと協力していくためにも、連邦政府による審査が必要だと主張している。
Vista炭鉱の拡張プロジェクトは現在、アルバータ州エネルギー規制当局による州の環境評価を受けている。同炭鉱は2019年に生産を開始し、5月に最初の出荷を行った。年間650万トンの生産能力を有し、アジアの顧客に輸出しており、今回の拡張計画が実現すれば、北米最大の一般炭炭鉱となる。Coalspur Mines社は2021年6月に債権者保護を申請しており、同鉱山は現在、Cutlass Collieries社と米国のCline Group社の関連会社であるBighorn Mining社によって運営されている。
(石炭開発部 奥園 昭彦)
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