ドイツ:鉱業組合と産炭州の首相が石炭の早期撤退計画に反対

掲載日:2021年11月4日

10月26日の現地報道によると、社会民主党(SPD)、緑の党、親ビジネスの自由民主党(FDP)の3党による連立政権が、石炭からの撤退時期を2038年から2030年に早めるという案を検討していることに対し、鉱業労働組合と褐炭を生産するザクセン州の首相は、新政権が石炭からの撤退を早めることに警告を発した。

ドイツの鉱業・化学・エネルギーの労働組合IG BCEは、この計画を「象徴的な政治」と非難し、同労組のMichael Vassiliadis議長は、報道機関であるRNDに対し、撤退日は単なるランダムな選択ではなく、現在の状況下では達成可能であるために選択された期限で、次期政府が2030年への前倒しを望むなら、その方法を説明しなければならないと述べ、今のところ2030年は象徴であって、それ以上のものではない、と付け加えた。

また、保守系キリスト民主同盟(CDU)のザクセン州首相Michael Kretschmerも、新連邦政府は撤退協定に従わなければならないと発言し、中央ドイツ地域での雇用の喪失と地域への影響の心配を述べ、2038年までに石炭火力発電を終了するための法律や協定があることを強調し、新政府が石炭撤退協定を反故にすれば、国民からの信頼を失うことになると警告した。

ドイツでは、2020年に石炭の段階的廃止とその影響を受ける地域への支援金の支払いが合意されたが、それ以来、国際的な気候目標の達成に必要な排出量の削減が間に合わないと、この合意は批判されてきた。CDUを含むほぼ全ての政党は、EU ETSでの温室効果ガス排出枠がますます高くなり、採算の取れる石炭火力発電所の操業が不可能になるため、市場原理だけで2038年よりもはるかに早い段階での石炭の終了は十分可能であるとしている。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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