オランダ:大手年金基金ABP社、150億ユーロの化石燃料資産を売却

掲載日:2021年11月4日

10月26日の現地報道によると、世界最大級のオランダの年金基金であるABP社は、地球温暖化への懸念を理由に、2023年までに150億ユーロ(175億米ドル)の化石燃料生産会社への投資を売却すると、26日に発表した。

10月31日から英国のグラスゴーで開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)を前にした今回の決定は、5,280億ユーロの資産を運用している公務員ファンドにとって大きな転換点となる。

ABP社のCorien Wortmann会長は、ファンドの総資産の3%に相当する売却計画の後、可能な限り再生可能エネルギーへの投資を増やしていく意向であるとの声明を発表したが、同社は6月の時点で、環境保護活動家やファンドの参加者からの圧力にもかかわらず、化石燃料への投資をやめることは地球温暖化の「解決策ではない」と述べていた。この変節を尋ねられた会長は、気候変動への懸念の高まりと最新の国連気候変動報告書がきっかけとなったと、述べた。

今回の決定を発表したWortmann会長は、ファンド参加者とその雇用者の懸念を理由に挙げ、「ABP取締役会は、方針転換の必要性と緊急性を認識しており、化石燃料生産会社への投資を売却するのは、株主としてこれらの企業にエネルギー転換に必要な大幅な加速を促す機会が十分にないと判断したためです。将来的には、電力会社や自動車・航空業界など、化石燃料を大量に消費する企業への取り組みを重視し、株主としての影響力を利用して、化石燃料を使用している企業がより持続可能になるように働きかけていきます。」と述べた。同ファンドは、今回の決定が長期的なリターンに影響を与えるとは考えていないとしている。
($1 = €0.8593)

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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