ポーランド:石炭の段階的廃止に関する立場を明確化、2049年まで継続

掲載日:2021年11月18日

11月5日の現地報道によると、グラスゴーで開催中のCOP26で4日、ポーランドは「世界全体の石炭からクリーンパワーへの移行声明」に署名した190の署名者のうちの1カ国となった。この声明では、主要経済国は2030年代まで、その他の国は2040年代までの石炭火力発電の廃止合意が含まれている。

もしポーランドが自国を主要経済国と見なし、2030年代に石炭を廃止することに合意していれば、気候変動の原因となる石炭を廃止すことに消極的なポーランドが、野心を大幅に高めたことになるが、宣言に署名してから数時間後、気候環境省の報道官であるAleksander Brzozkaは、ポーランドは自国を第2カテゴリー(その他の国)に分類しており、「主要経済国」はG20諸国のみであると述べることで、その立場を明らかにし、ポーランドは、2030年代ではなく2040年代に石炭を廃止することに署名したものであり、2040年代の廃止は、今年初めに国内の労働組合と交わした合意に沿ったものであると述べた。

ポーランドの気候環境大臣であるAnna Moskwaは、「ポーランド政府が採択した合意は、2049年までに石炭(ハードコール)から脱却することが定められており、今後数年間の変革は、何よりも計画的で公正なものでなければならなる」と述べたが、問題は、ポーランドが主要経済国に数えられるかどうかであり、そのため、ポーランドが署名した合意に基づいて2030年代に石炭を廃止する必要があるかどうかである。

環境NGO「Europe Beyond Coal」は、ポーランドが第一世界のOECD加盟国であり、EU加盟国であることを指摘し、2030年代に石炭を廃止する必要があるとしているが、政府は、ポーランドは石炭火力への依存度が高く、エネルギーミックスの約70%を化石燃料が占めており、低炭素・ゼロエミッションのエネルギー源への移行は、今後20~30年かけて段階的に進めていくべきだという考えを堅持している。

しかしながら、政府はクリーンエネルギーへの移行を遅らせており、石炭の廃止時期は欧州の気候目標にそぐわず、EU排出量取引制度の下での石炭燃焼価格の上昇を考えると受け入れられないと批判されている。

(石炭開発部 奥園昭彦)

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