ドイツ:電力に占める石炭や化石燃料の割合が第3四半期に上昇

掲載日:2021年12月23日

12月14日の現地報道によると、2021年第3四半期の総発電量の半分以上を従来型のエネルギー源が占め、2038年までに段階的に廃止される石炭火力による発電量の割合が大幅に上昇した。政府統計局が14日に発表したデータによると、第3四半期(7月~9月)に発電された電力全体の56.9%を従来型の電源が占めた。そのうち石炭は31.9%を占め、前年同期の26.4%及び2021年上半期の27.1%と比べても大幅な増加となった。

ドイツの新政権は、12月13日、2030年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げた気候変動対策計画を承認した。今後の電力使用量が同程度と仮定すると、再生可能エネルギーによる発電量は10年足らずでほぼ倍増する必要がある。原子力発電所は2022年末までに停止する予定で、既に多くが停止している。

2021年第3四半期における発電量における天然ガスのシェアは8.7%にとどまり、前年同時期の14.4%と比較すると3分の1以上減少している。これは、2021年後半に天然ガスの価格が上昇したことが大きな要因である。また、天然ガスのシェアは、2018年第3四半期以降で最も低い四半期値を示した。再生可能エネルギーのシェアも、2021年第3四半期は2020年第3四半期より0.8%少なく、わずかに減少した。

一方、ドイツの電力輸入量は、今年第3四半期に2020年同期比13.6%増した。輸入電力の多くは、隣国のフランスからのものであり、フランスはドイツとは対照的に原子力発電を推進している。また、ドイツは12月13日、COVID-19の大流行対策として積み立てていたものの、使われなかった資金を活用し、気候変動対策として600億ユーロ(680億米ドル)の追加公共支出を承認した。

なお、ドイツの社会民主党(SPD)、緑の党、リベラルな自由民主党(FDP)の新連立政権は、石炭の廃止時期を2038年から2030年に前倒しすることに合意している。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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